シマノ
 97スーパーエアロ EV (SA157)

2013年10月13日現在

飛距離指数:1.018 (
★★★

平均飛距離:167.15m

(テスト回数:12回)


スペック 97スーパーエアロ
EV (SA157)
発売時期 1997年
スプール 前端径 φ68.3mm
算出後端径 φ74.4mm
ストローク 35mm
勾 配 5度
エッジ開放角度 59度
全 長 57.8mm
糸巻き量 ナイロン2号−200m
材 質 本体:樹脂
リング:アルミニウム合金
スカート なし
カタログ自重 550g
ナイロン2号糸込み質量 574g
フルストローク全長 188mm
オシュレーション方式 円筒カム複軸
2スピード:2.7度綾巻き
前:6.25ターン/後:7.25ターン
ボールベアリング 4個
(うち1個ローラーベアリング)
ラインローラー パワーローラーV
(ボールベアリング1個内臓)
マスターギヤ 超ジュラルミン
(鍛造)
メインシャフト アルミニウム合金
φ6.5mm
ボディー&ロータ 樹脂
ハンドルタイプ 左右両用/85mm
ハンドルグリップ エラストマー樹脂
ロータ回転方向 時計回り
ギヤ比 1:3.9
メーカー希望小売価格 19,000円
10年にわたるロングセラーとなった前モデル:スーパーエアロGT7000の後継モデルとして、
1997年に97スーパーエアロEV(SA157型)がデビュー。

前モデルでは、同一ボディー&ロータにフラッグシップモデルとしてキススペシャルが存在したが、
この時のモデルチェンジからは投げ専用リールに求められるニーズの多様化に対応する形?で
ボディー&ロータを機種階級ごとに専用設計。

最高級フラッグシップモデルにはスーパーエアロ・チタニウムを、準フラッグシップモデルには
スーパーエアロ・テクニウム,ミドルアッパーモデルにはスーパーエアロXT,中級モデルが本機EV
で、EVと主要パーツを共用する廉価版がスーパーエアロFVと、全4機種5タイプが誕生。

スプールは全て35mmストローク&5度テーパーに統一されたが、前端径やスプール本体の材質,
スプールリングの材質で差別化を行った。

スーパーエアロGTシリーズからは、超ジュラルミン製両端支持方式マスターギヤと2軸分離型
クロスギヤ・ドライブによる2スピード・オシュレーションシステムが受け継がれたが、樹脂ボディー
の成形精度がメタルボディーよりも劣るため?かボールベアリングはマスターギヤ軸のギヤ歯側
のみとなり、反ギヤ歯側の軸受けは樹脂製ブッシュが入るのみとなった。

マスターギヤ軸の反ギヤ歯側樹脂製ブッシュを取り除けばギヤ歯側用のボールベアリングが
装着可能であり、部品を取り寄せてボールベアリングを追加装着するユーザーも多いようだ。

ちなみに、私自身も該当部位にはボールベアリングを追加装着して使用しているが、明らかに
ハンドル回転は滑らかに改善されている。
なぜたった1個のボールベアリングをケチったのか、スーパーエアロEVに対するシマノの設計思想
は理解に苦しむ。

なお、2軸分離型クロスギヤ・ドライブシステムは前モデルから継承されたが、メカニズム構造は
全くの別物に変更されている。

前モデルのオシュレーション・スライダー(摺動子)は、クロスギヤ軸に挿通する形で組み付けられ
ていたが、1997年モデルからは2本の細い摺動子ガイドに挿通したスライダーがクロスギヤ軸に
対し挿通せず接触しているだけになった。

このような設計構造の変化は、軽量化を目的にしたものか、それとも回転精度の向上を目的に
したものか不明であるが、2004年のモデルチェンジでスーパーエアロEVは88年式スーパーエアロ
GTシリーズのボディー及びオシュレーション機構の構造を復刻させたSA257型にモデルチェンジ。

88年式GTボディーの復活は、単に開発コストの削減によるものなのか、それとも耐久性,信頼性
の改良に伴うものなのか、真相を知るのはシマノの技術者だけ・・・

キャスティング性能については、素晴らしい飛距離指数をマークする前モデル:スーパーエアロ
GT7000に比べると1ランクの格差があり、定常的には飛距離指数:0.989〜1.015とベンチマーク
である「リョービ・プロスカイヤー7スーパーノーズ」と同等の飛距離に低下することもあるEVだが、
スプール前端径がφ68.3mmと歴代スーパーエアロ中でも大型クラスであることが飛距離指数
低下の一因かも知れない。

とはいえ、そもそも実釣メインに設計された中級機であるから、これだけ飛べば十分だろう。