シマノ
 97スーパーエアロ EV + テクニウムスプール

2009年3月23日現在

飛距離指数:1.018 (
★★★

平均飛距離:167.35m

(テスト回数:7回)


スペック 97スーパーエアロ EV 
+ テクニウムスプール
発売時期 1997年
スプール 前端径 φ63.0mm
算出後端径 φ69.1mm
ストローク 35mm
勾 配 5度
エッジ開放角度 57度
全 長 52.1mm
糸巻き量 ナイロン2号−200m
材 質 本体:アルミニウム合金
リング:チタンコート・ステンレス鋼
スカート なし
カタログ自重 547g (計算値)
ナイロン2号糸込み質量 567g
フルストローク全長 185mm
オシュレーション方式 円筒カム複軸
2スピード:2.9度綾巻き
前:6.25ターン/後:7.25ターン
ボールベアリング 4個
(うち1個ローラーベアリング)
ラインローラー パワーローラーV
(ボールベアリング1個内臓)
マスターギヤ 超ジュラルミン
(鍛造)
メインシャフト アルミニウム合金
φ6.5mm
ボディー&ロータ 樹脂
ハンドルタイプ 左右両用/85mm
ハンドルグリップ エラストマー樹脂
ロータ回転方向 時計回り
ギヤ比 1:3.9
メーカー希望小売価格 19,000円 (テクニウムスプール単体:11,000円)
スーパーエアロEVはエアロ・シリーズの中では中級者向けモデルに位置するが、カタログモデル
当時には夢屋ブランドからスーパーエアロEVにも互換性を有するオプションスプールが発売され
ていた。

また、有名ショップオリジナルの樹脂製スプールも数種類発売されており、主に大口径・小勾配
〜ノーテーパータイプのスプールで数多くのオプションスプールが選択できた。

一方で、スーパーエアロ・シリーズ内でのスプール互換性は、カタログ上ではスーパーエアロEVは
同FVのみが互換性ありとの表示がなされており、上級機種のスーパーエアロテクニウムや
同チタニウム用スプールとの互換性はないものとされていた。

ところが、『御調山SC研究所』の師匠でもあるH選手は数年前よりスーパーエアロXT-SSに
テクニウムスプールを組み合わせて、スポーツキャスティング・第4種目に参戦されている。

スーパーエアロXT-SSの場合、メインシャフトとロータ,ラインローラーの構造設計は基本的に
スーパーエアロEVと同一である。
それなら、とスーパーエアロEVにてH選手にお教え頂いた『改造』・・・といっても糸落ち防止
カラーの取り外しとスプール座金の高さ調整だけであるが・・・を行ってみた。

結果、スプールが最も前進状態にあるときにロータ・フードの先端とスプールエンドとの間に
1.5mm程度の隙間が生じてメインシャフトが露出してしまうことになるのだが、難なくテクニウム
スプールをスーパーエアロEVに装着することに成功。

もちろん、何の違和感もなく整然とラインを巻くことができた。

このスーパーエアロEV+テクニウムスプール仕様では、リール質量こそテクニウムの軽さには
到底及ばず567gあるのだが、前端径がφ68.3mmの標準スプールに比べてφ63.0mmと小口径
であるため、ナイロン2号ラインにおけるキャスティング競技では遠投性能の向上が期待できる。

さらに、スーパーエアロEV用としてラインナップされる純正スプールは、ナイロン1.5号用,2号用,
4号用の3種類だけであるが、テクニウム用スプールとなるとナイロン1号用,1.5号用,2号用,
3号用,4号用とレパートリーが増える。

これらのスプールバリエーションの拡大は実釣場面ではあらゆる釣り場,釣法に臨機応変対応
でき、見た目の質感も向上することがメリットに挙げられる。

こうして、主に飛距離アップの期待に胸膨らませて挑んだ実投テストの結果は、標準スプール
での飛距離指数:1.018と同じく1.018であった。

正直なところ、少しくらいは差をつけてくれるかな?と期待したのだが、ボディーの大きさ(重さ)
などが影響したのか、飛距離アップには全くつながらなかったのが少し悔しい。

なお、標準スプール対テクニウムスプールの直接対決の結果は0勝2敗1分。
スプールのディメンションだけで考えると飛距離アップを期待したのだが、リールをロッドに装着
した状態でのラインキープ角度や重量バランスなどがノーマル仕様の方が幾分しっくり馴染む
ところがあり、その点でテクニウムスプールでは「投げ易さ」が損なわれてしまうようだ。