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2013年12月7日現在
飛距離指数:1.014 (★★★☆☆)
平均飛距離:168.16m
(テスト回数:10回)
スペック | スーパーエアロ XT-SS |
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発売時期 | 2001年 | |
スプール | 前端径 | φ68.3mm |
算出後端径 | φ74.4mm | |
ストローク | 35mm | |
勾 配 | 5度 | |
エッジ開放角度 | 59度 | |
全 長 | 57.8mm | |
糸巻き量 | ナイロン2号−200m | |
材 質 | 本体:カーボン樹脂 | |
リング:アルミニウム合金 | ||
スカート | なし | |
カタログ自重 | 565g | |
ナイロン2号糸込み質量 | 594g | |
フルストローク全長 | 177mm | |
オシュレーション方式 | 円筒カム複軸 等速:0.5度超密巻き 前後各40ターン:0.9mmピッチ |
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ボールベアリング | 5個 (うち1個ローラーベアリング) |
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ラインローラー | パワーローラーV (ボールベアリング1個内蔵) |
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マスターギヤ | 超ジュラルミン (鍛造) |
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メインシャフト | スチール φ6.5mm |
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ボディー&ロータ | アルミニウム合金製ボディー 樹脂製ロータ |
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ハンドルタイプ | 右専用/85mm | |
ハンドルグリップ | エラストマー樹脂 | |
ロータ回転方向 | 反時計回り | |
ギヤ比 | 1:3.56 | |
メーカー希望小売価格 | 45,700円 |
1997年エアロシリーズ一新の際に、かつてなら十分にフラッグシップモデルとなる価格帯に、
新しいカテゴリー:ミドルアッパークラスとして、スーパーエアロXTがリリース された。
スーパーエアロXTは、準フラッグシップモデル:スーパーエアロ・テクニウムから譲り受けた
高剛性,高精度メタルボディーに、中級機:スーパーエアロEV,FVと基本設計を共用する樹脂製
ロータを組み合わせ、オーソドックスな2スピード・オシュレーションを搭載した。
そして2001年には、スーパーエアロ・チタニウムで脚光を浴びたスーパースロー・オシュレーション
をより手軽に楽しむモデルとして、スーパーエアロXT-SSが登場。
スーパースロー・オシュレーションは、1970年代キャスティング・トーナメンター達の手製コップ型
スプールへのライン手巻きテクニック:「超密巻き」をメカで実現したオシュレーションである。
チタニウムでは巻き取りピッチ0.74mm(47ターン/ストローク)であるのに対し、XT-SSでは巻き
取りピッチ0.88mm(40ターン/ストローク)に設定を変更。
この程度の巻き取りピッチの変更影響がキャスティングにおいて体感できるのか不明であるが、
直径がφ0.65〜0.80mmのナイロン16号テーパーラインを巻く必要がある投げ専用リールの
密巻きピッチとしては、0.80mm以上の値であることが好ましいのではないか?
ボディーカラーはノーマルXTのシルバーから、渋みの効いたメタリック・ブルーに変更を受け、
スプールリングのアルマイトカラーもダークグレーに変更するなど、ゴージャス感がXTよりも向上。
XT,XT-SSともに糸落ち防止機構を備えるため、実釣派にはロータ周りへの糸絡みの心配がなく、
ビギナーキャスターまでがXT-SSに触手を伸ばすという、一種異様な光景もみられた。
キャスティングの場面では、スプールから放出するラインがひと塊に噴出すバックラッシュ・トラブル
がつき物で、XT-SSをキャスティング競技に使用する選手は少ない。
スーパースロー・オシュレーションを搭載するエアロシリーズのうち、キャスティング競技で見かける
モデルは、チタニウムかそれともテクニウムMgの2種類であるが、不思議とXT-SSは見かけない。
XT-SSの飛距離指数はEVの1.018よりも若干劣る1.014となっているが、両者の飛距離指数の差
がスーパースロー・オシュレーションと2スピード・オシュレーションの違いによるものなのか、
それともライン込み自重が574gのEVと同594gのXT-SSとの重量差から生じるものなのかは定か
ではないが、XT-SSはキャスティング競技に用いるには重過ぎる印象が強い。
オシュレーション速度に多少の違いはあるが、同じく『スーパースロー・オシュレーション』機構を
搭載するスーパーエアロ テクニウムMg(ライン込み自重:451g,飛距離指数:1.021)や
スーパーエアロ サーフリーダー CI4+ 35(ライン込み自重:460g,飛距離指数:1.025)と比べても
XT-SSの飛距離指数:1.014は低過ぎる。
やはり、これらの高飛距離指数スーパースロー・オシュレーションリールたちと比べて130g以上も
重いために生じる、スウィング動作におけるパワーロスが飛距離指数低下の主要因だと考える。
同じスプールディメンションのスーパースロー・オシュレーションでも、ライン込み自重が500g以下
であったならば、飛距離指数はまた違った結果になっていただろう。