リョービ
 プロスカイヤー7セラテックノーズ

2013年8月4日現在

飛距離指数:1.019 (
★★★★
平均飛距離:177.19m

(テスト回数:5回)


スペック プロスカイヤー7
セラテックノーズ
発売時期 1987年
スプール 前端径 φ61.5mm
算出後端径 φ71.3mm
ストローク 35mm
勾 配 8度
エッジ開放角度 約20度
全 長 53mm
糸巻き量 ナイロン2号−200m
材 質 本体:カーボン樹脂
リング:カーボン樹脂
スカート なし
カタログ自重 449g
ナイロン2号糸込み質量 499g
フルストローク全長 167mm
オシュレーション方式 円筒カム複軸
等速:3.7度綾巻き
前後各5.25ターン
ボールベアリング 4個
ラインローラー SiC-U型
(角度調整可能)
マスターギヤ 超々ジュラルミン
(マシンカット)
メインシャフト アルミニウム合金
φ6.0mm
ボディー&ロータ セラテック補強
カーボン樹脂
ハンドルタイプ 右専用/85mm
ハンドルグリップ ソフトラバー&樹脂
ロータ回転方向 反時計回り
ギヤ比 1:3.7
メーカー希望小売価格 24,800円
スカートレス・コップ型スプールを搭載したキャスティングリールが全盛期を迎えた1987年に
リョービ・プロスカイヤーシリーズでは初のロングストロークモデルとしてデビュー。

先に一世を風靡したシマノ・チタノスエアロGT8000を相当意識したデザインであるが、メカニズム
は全くの別物。

従来型プロスカイヤー7シリーズの伝統であった、3層1軸式トラバースカム・オシュレーション方式
から、2軸分離型トラバースカム・オシュレーションに変更し、堅牢メタルボディー&ロータも
セラテック強化カーボン樹脂製となったことで、シリーズ最軽量の449gまでダイエット。

リョービ・トラバースカム機構とダイワ・フラットワインディング機構との違いは、円筒カムへの回転
伝達方法にある。

ピニオンギヤの回転を直にウォームシャフト(円筒カム)・ギヤに伝達するダイワ方式に対し、
リョービ方式ではピニオンギヤの上部にトラバースカム(円筒カム)・ギヤを駆動するための専用
ギヤを配置し、ロータ内部に回転伝達機能を持たせている。

この構造的な違いによるリールそのものの巻上げトルクへの影響は不明であるが、部品点数の
増加や円筒カム軸の全長増加が必要なリョービ方式は、軽量化の面でやや不利である。

また、砂浜での実釣を想定するとロータ内部には砂の侵入が避けられないが、ロータ内部にギヤ
の噛み合わせがあるために防塵機能を徹底する必要も生じる。

これらリョービ方式には不利な点が目立ったが、セラテックノーズとその後継機:スーパーノーズ
4570シリーズにロータ内回転伝達式二軸型トラバースカム平行巻き機構が採用された。

恐らく、ダイワの特許権に抵触しないための苦肉の設計であったのだろう。

セラテックノーズはラインローラー角度の微調整範囲が広いために、パーマなどのライントラブル
が少なくキャスティング競技派の私にはお気に入りのリールであったが、ラインローラー角度の
微調整機構が実釣使用による潮錆などで固着し易いせいか、実釣派のクラブ員には不評だった
ようである。
(キャスティング競技派は陸上練習&競技のためラインローラーが潮錆固着しない。)

なおキャスティング性能としては、軽量化&コンパクト設計を優先した結果か?スプールが最も
前進した状態でのスプール後端位置がリールフットに近いため、人差し指へのラインキープ角度
が90度〜鈍角傾向となる。
このため、人差し指へのラインの掛かりが浅くなり、抜け気味の弾道が多くなる点がやや不満で
ある。

飛距離指数は1.019となっているが、シマノ・スーパーエアロEV,XT-SSやダイワ・トーナメント
プロキャスターSS-35Uなど、35mmストローク・リールの飛距離指数はいずれも1.014から1.018と
なっている。

どうやら35mmストローク・リールでは、飛距離指数1.015前後が標準的数値となり、1.020の壁を
越えられない何かがあるのかも知れない。


プロスカイヤー7セラテックノーズのメカ内部
ピニオンギヤからトラバースカムへの回転伝達部には防塵カバーが付く