リョービ
 プロスカイヤー7スーパーノーズ

2014年2月15日現在

飛距離指数:1.000 (
★★☆☆☆
平均飛距離:168.99m

(テスト回数:27回)


スペック プロスカイヤー7
スーパーノーズ
発売時期 1979年
スプール 前端径 φ63.0mm
算出後端径 φ68.9mm
ストローク 28mm
勾 配 6度
エッジ開放角度 0度
全 長 40mm
糸巻き量 ナイロン2号−300m
材 質 本体:樹脂
リング:樹脂一体
スカート アルミ合金別体
カタログ自重 585g
ナイロン2号糸込み質量 610g
フルストローク全長 190mm
オシュレーション方式 中空円筒カム3層1軸構造
等速:2.9度綾巻き
前後各5.4ターン
ボールベアリング 2個
ラインローラー ハードクロム-V型
マスターギヤ 亜鉛合金
(ダイカスト)
メインシャフト スチール
φ5.5mm
ボディー&ロータ マグネシウム合金
(耐食性二重塗装)
ハンドルタイプ 右専用/70mm
ハンドルグリップ ウッド
ロータ回転方向 反時計回り
ギヤ比 1:4.0
メーカー希望小売価格 26,000円
1970年代のスピニングリールは、アルミニウム合金製ボディー&ロータに、亜鉛合金製マスター
ギヤやスチール製メインシャフトなどが一般的であった。

世界初のマグネシウム合金製スピニングリール:ダイワー・プロキャスター7000のデビューから
2年遅れて、リョービからは「プロスカイヤー7スーパーライト」が22mmストローク/498gでデビュー。

さらに1979年には、スプールストロークを22mmから28mmへと約27%拡大し、テーパー角:6度の
ドラグ・レススプールを搭載した改良モデル:プロスカイヤー7スーパーノーズを発売。
ストローク延長されたコップ型スプールはスカート部と分離したカセット式となり、携行性を高め
ている。

当時平行巻き機構とテーパー角:6度のコップ型スプールを搭載した投げ専用リールは
スーパーノーズが唯一であり、某釣り番組中のCMでは200m地点に設置された旗とカメラに
向かって、キャスターがスイング投法でシンカーを投擲するシーンを放映。

シンカーは見事200mの旗の真横、カメラの真前に着地し、スーパーノーズの遠投性能を大々的
にアピールしていたのを覚えている。

オシュレーション機構はリョービ特有の3層1軸構造で、メインシャフトの外側に筒状の円筒カム
を、さらにその外側にメインシャフトと連結されたオシュレーションスライダーが組み合わされ、
スプールを等速往復運動させている。

メインシャフトとオシュレーションスライダーの連結部にはノックピンがカチ込まれているため、メカ
を分解整備できないことが初期型トラバースカム機構のデメリットである。

後期モデルではプロスカイヤー7スーパーライトMark-Uで初搭載された「ベールアーム角度調整
機構」とSiC製ラインローラーが、スーパーノーズにも採用された。

プロキャスター7000では、マグネシウム合金製パーツ以外にもサイレント・ストッパーや
アルミニウム合金製鍛造マスターギヤの採用などの新機軸を備えたが、プロスカイヤー7
スーパーノーズではラチェット式ストッパーに亜鉛合金ダイカスト製マスターギヤと、内部メカの
技術では若干出遅れていた。

そのためプロスカイヤー7スーパーノーズは、マグネシウム合金製とはいえども近年の超軽量
投げ専用リールに比べて150g以上重いが、キャスティング動作の最中にはリールフットを握る
右手にリール重心が明確に感じられ、ロッドを曲げるための力加減がコントロールし易い印象を
持つ。

実投テストでは、スーパーノーズの飛距離データをベンチマークに扱ったため飛距離指数が常に
1.000となっているが、まさにミスなく安定してキャスティングできる性能は400g台の軽量投げ専用
リールにも負けないスーパーノーズの強みだろう。


左:プロスカイヤー7スーパーノーズのメカ内部
右:コップ型スプール着脱方法