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2009年3月23日現在
飛距離指数:1.002 (★★☆☆☆)
平均飛距離:170.31m
(テスト回数:5回)
スペック | プロキャスター EX-9000S | |
発売時期 | 1979年 | |
スプール | 前端径 | φ62.9mm |
算出後端径 | φ69.9mm | |
ストローク | 40mm | |
勾 配 | 約5度 | |
エッジ開放角度 | 約20度 | |
全 長 | 92.5mm | |
糸巻き量 | ナイロン2号−250m | |
材 質 | 本体:樹脂 | |
リング:樹脂一体 | ||
スカート | あり | |
カタログ自重 | 650g | |
ナイロン2号糸込み質量 | 662g | |
フルストローク全長 | 266mm | |
オシュレーション方式 | マスターギヤ式 正弦波:9.5度綾巻き 前後各2.3ターン |
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ボールベアリング | 2個 | |
ラインローラー | ハードクロム-V型 | |
マスターギヤ | アルミニウム合金 (ダイカスト) |
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メインシャフト | スチール φ5.5mm |
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ボディー&ロータ | カーボン樹脂製ボディー&ロータ | |
ハンドルタイプ | 左専用/85mm | |
ハンドルグリップ | 樹脂 | |
ロータ回転方向 | 時計回り | |
ギヤ比 | 1:4.6 | |
メーカー希望小売価格 | 26,000円 |
1979年に発売されたプロキャスターEX-9000Sは、飛ばすことだけを目的に開発されたスパルタン
モデルである。
前モデル:プロキャスター7000では画期的なマグネシウム合金製ボディー&ロータを採用したが、
EX-9000Sではまたしても新たな試みの、カーボン樹脂でボディー&ロータを成型。
当時ダイワには平行巻き機構がなかった中で、ノーマル状態でもキャスティング競技で勝てる
リールとして開発され、超がつくストロークの延長と綾巻き角の増大を実現した。
40mmものストロークを発生するために、直径約67mmのマスターギヤがオシュレーションギヤを
兼ねてボディー中央に配置されるが、駆動系の質量増加を抑えるためにディッシュ部分を薄肉化
したアルミダイカスト製マスターギヤを採用。
オシュレーション・スライダーを往復運動させるピンには真鍮部品を組み付け、マスターギヤ軸の
ボディー側軸受け部にはスチール・ブッシュが圧着されているため、摩擦摺動部の耐久性は高い。
マスターギヤがオシュレーションギヤを兼ねるためにハンドル1回転でスプールは1ストローク往復
し、スプールに巻き取られるラインは10度の超広角綾巻きとなる。
綾巻き角の増大はライン同士の食い込みが防止され、キャスティング時のライン放出抵抗が低減
するために飛距離は向上する。
その他外観的にはベールアーム・レス仕様による軽量化を行い、スプール中央部には三次元的
な太鼓型形状を与えてラインを巻き取った状態でのスプール表面フラット化&テーパー形状と
することでも、飛距離だけにこだわった設計であることがわかる。
ただし、このスプール中央部の突起が起因しているのか?キャスティング時には、スプールに
巻かれたラインが半分ほど放出されたところ、すなわちシンカー高度が最高高度に到達するころ
に、飛行中のシンカーが失速するような感じを受ける。
そのような傾向もあり飛距離指数は1.002と、ベンチマークの「プロスカイヤー7スーパーノーズ」
(ストローク:28mm)とほぼ同等の値に留まっているが、何故かミスキャストやライントラブルが皆無
で快適なキャスティングができる点は、近代の超軽量ロングストロークリールにはない味わいを醸し
出している。