ダイワ
 トーナメントプロキャスター SS-35 & SS-35U

2009年3月23日現在

飛距離指数:1.016 (
★★★☆☆
平均飛距離:172.02m

(テスト回数:3回)

スペック トーナメントプロキャスター 
SS-35 & SS-35U
発売時期 1988年 (SS-35)
1991年 (SS-35U)
スプール 前端径 φ61.7mm
算出後端径 φ69.1mm
ストローク 35mm
勾 配 6度
エッジ開放角度 50度
全 長 67.8mm
糸巻き量 ナイロン2号−300m
材 質 本体:カーボン樹脂
リング:カーボン樹脂一体
スカート なし
カタログ自重 460g (SS-35)
470g (SS-35U)
ナイロン2号糸込み質量 489g (SS-35)
499g(SS-35U)
フルストローク全長 179mm
オシュレーション方式 円筒カム複軸
等速:2.8度綾巻き
前後各7.25ターン
ボールベアリング 3個 (SS-35)
4個 (SS-35U)
ラインローラー チタンコート-U型 (SS-35)
ベアリング内蔵チタンコート-U型 (SS-35U)
マスターギヤ 超ジュラルミン
(マシンカット)
メインシャフト チタン合金
φ6.0mm
ボディー&ロータ ウイスカー強化カーボン樹脂製ボディー
マグネシウム合金製
ロータ
ハンドルタイプ 左右両用/85mm
ハンドルグリップ ソフトタッチ樹脂
ロータ回転方向 時計回り
ギヤ比 1:4.1
メーカー希望小売価格 23,500円 (SS-35)
32,300円 (SS-35U)
トーナメントプロキャスターSS-45の弟機として、35mmスカートレス・スプールを搭載したミドル級
超遠投リールとして、トーナメントプロキャスターSS-35がデビュー。

最先端の材料工学技術の導入や糸落ち防止機構の採用,ノブ着脱式のφ61.7mm小口径・6度
大勾配スプール設計と50度のスプールリング開放角をはそのままに、ストロークをコンパクト設計
にした、中級者向けモデル。

ハンドルタイプは左右両用タイプとなり、スプールバリエーションも一部省略され、ナイロンライン
2号〜5号を多用する一般的な投げ釣りを想定した仕様となった。

ウイスカー強化カーボン樹脂製ボディーやマグネシウム合金製ロータ,超ジュラルミンマシンカット
製マスターギヤ,チタン合金製メインシャフト,チタンコーティング・ラインローラーなどの新素材は
兄貴機:SS-45譲り。

ただし、キャスティング時のフィーリングはSS-45,SS-45Uよりもやや難クセがあり、人差し指
へのラインキープ角度,キャスティング動作中のリール重心位置感覚などがシックリこない。

トーナメントプロキャスターSS-35,SS-35Uともに、プロスカイヤー7セラテックノーズと同様に
スプールを最も前進させた状態でのスプール後端位置がリールフットにやや近く、人差し指への
ラインキープ角度が90度から鈍角気味になる点が、飛距離指数の頭打ちの要因のひとつに
なっているようである。

飛距離指数は1.016と、ウイスカーTHEキャスターの飛距離指数:1.019からは0.003ポイント
(=ST種目での実飛距離差:約0.6m)のダウン。
ストロークの長さよりも、スプールを最も前進した状態での人差し指のラインキープ角度などが
飛距離に大きく影響するようである。

なお、テスト機はカーボン樹脂製スプールを装備していたが、SS-45系と同様アルミニウム合金製
6度勾配スプールが標準仕様に設定されている。

このシリーズ(SS-35,SS-35U,Z35T)はスペックこそ準フラッグシップモデルとしての品格を備えて
いたが、逆にフラッグシップモデルである45mmストロークマシンの陰に埋もれた中途半端な存在の
せいか、本格派キャスターの間には普及しなかったようだ。

そのような経緯もあり、ダイワ・35mmストロークモデルはこのあと「準フラッグシップモデル」の路線
から一時期離脱し、逆勾配スプール(ABS)のみを採用(サーフ35Aシリーズ)したり、実釣用ドラグ
付き量販モデル(パワーサーフQD)との部品共用率を高めることでお手軽価格に設定した
グランドサーフなどで35mmストロークマシンを継承。

長い期間35mmストロークマシンはビギナー用入門機種的な商品展開が続いたのだが、2004年頃
から注目され始めた「近〜中距離エリアを手返し良く攻めるキス釣り」に特化する形で、新たに
35mm版フラッグシップモデル;トーナメントサーフ35を2006年に発売。

マグネシウム合金製ボディーやアルミニウム合金製マシンカット2度スプール,リアル4と称する精密
駆動システムなどを採用し、SS-35シリーズで不満だったラインキープ角度とリール重心バランスの
位置関係も改善され、45mmストロークマシンにヒケを取らない遠投性能と快適リーリング特性を
与えられた。

さらに2008年にはアルミニウム合金製ボディーで価格を抑え、替えスプールも標準装備した準本格
モデル;ベーシア35も発売。

キャスティング競技用は45mmストロークマシン,実釣用は35mmストロークマシンという住み分けが
概ね完成されたような風潮を感じるが、それもダイワ・サーフリール20年の歴史があってこその到達
地点なのだろう。