ダイワ
 トーナメントプロキャスター SS-45 & SS-45U
 トーナメントサーフ Z45T

2011年6月25日現在

飛距離指数:1.025 (
★★★★☆
平均飛距離:171.34m

(テスト回数:16回)


スペック トーナメントプロキャスター 
SS-45 & SS-45U
トーナメントサーフ Z45T
発売時期 1987年 (SS-45)
1991年 (SS-45U)
1996年 (Z45T)
スプール 前端径 φ59.6mm
算出後端径 φ69.1mm
ストローク 45mm
勾 配 6度
エッジ開放角度 50度
全 長 67.8mm
糸巻き量 ナイロン2号−200m
材 質 本体:アルミニウム合金
リング:アルミニウム合金一体
スカート なし
カタログ自重 495g (SS-45)
515g (Z45T)
ナイロン2号糸込み質量 513g (SS-45)
518g(SS-45U)
フルストローク全長 205mm
オシュレーション方式 円筒カム複軸
等速:2.8度綾巻き
前後各9.25ターン
ボールベアリング 4個 (SS-45)
5個 (SS-45U)

7個(Z45T)
ラインローラー チタンコート-U型 (SS-45)
ベアリング内蔵チタンコート-U型 (SS-45U)

ベアリング内蔵チタンコート-変U型 (Z45T)
マスターギヤ 超ジュラルミン
(マシンカット)
メインシャフト チタン合金
φ6.0mm
ボディー&ロータ ウイスカー強化カーボン樹脂製ボディー(SS-45系)
ウイスカー強化樹脂製ボディー(Z45T)
マグネシウム合金製
ロータ(SS-45系,Z45T共通)
ハンドルタイプ 右専用/85mm
ハンドルグリップ ソフトタッチ樹脂
ロータ回転方向 時計回り
ギヤ比 1:4.1
メーカー希望小売価格 28,500円 (SS-45)
37,300円 (SS-45U)
1988年に発売された、トーナメントプロキャスターSS-45では、プロキャスターSSシリーズ,
ウイスカー・キャスターシリーズから受け継いだフラットワインディング機構を45mmまでストレッチ。

ストロークの延長に伴いボディーやロータ全長も大きくなったが、ダイワ初のスカートレス・
スプールの採用や最先端の材料工学技術の導入により、糸落ち防止機構を装備しながら495gと
軽量に仕上げた。

ウイスカー・キャスターシリーズからは59.6mm小口径・6度大勾配スプール設計と50度のスプール
リング開放角を継承したが、スプール着脱方式はネジ込み式からノブ式に変更され、キャス
ティング時のタラシ長さ調整自由度がスプール1/2回転単位に向上した。

スカートレス・スプールでの糸落ち防止機構は、スプール後端に設置したゴムリングと、ロータに
設置されたゴム・ローラーが噛み合いながら回転する方式を開発。
酷使するとゴム・ローラーの周辺からシャーシャーと異音を発する欠点があるが、ロータまわり
へのライン絡みは確実に防止された。

片側ハンドル専用型でのマスターギヤ両端支持方式もウイスカーTHEキャスターから継承された
が、トーナメントプロキャスターSS-45では左ハンドル仕様と右ハンドル仕様でボディーやロータ,
ピニオンギヤ,ベールアーム,ストッパー機能などの主要部品を共用した。

そのため、ハンドルタイプ関係なくマスターギヤの歯列はピニオンギヤの左側に統一され、左・右
ハンドル各仕様ともにロータ回転が時計回り仕様となった。

サイレントストッパー機能はロータ内からボディー内に移設されたが、マスターギヤ軸のリーフ・
スプリングによりストッパー爪の上げ下ろしを行うため、ハンドル回転の滑らかさを若干阻害する
仕様となってしまった。

ダイワはSS-45シリーズ以降のモデル・・・トーナメントサーフZ45T,Z45C,Z45U,ベーシア45
シリーズ・・・にも、このマスターギヤ・リーフスプリング式サイレントストッパーを継承しているため、
シマノ・スーパーエアロシリーズとの性能比較ではハンドル回転の滑らかさが劣るとの評価に
なっているようだ。

軽量化・機能性向上のための新素材としては、ウイスカー強化カーボン樹脂製ボディーはもち
ろん、マグネシウム合金製ロータ,超ジュラルミンマシンカット製マスターギヤ,チタン合金製メイン
シャフト,チタンコーティング・ラインローラーなど、様々な新素材が使用された。

ただ、スプールはアルミニウム合金製一体型となり、ウイスカーTHEキャスターに用いられた窒化
珪素リングは採用されなかった。

さらに1991年のマイナーチェンジでは、ラインローラーがボールベアリング内蔵型に進化。
ネーミングは「トーナメントプロキャスターSS-45U」となり、カラーリングがメタリック・シルバー&
ブラックのツートンカラーから、シャンペン・ゴールドに変更された。

1996年にはシリーズ最終形:トーナメントサーフZ45Tに進化。

Z45Tではラインローラーが糸ヨレ防止効果を増した、「ツイストバスター」仕様となった。
従来の幅広U型形状は、ラインが接する側に特殊な形状のフランジが付き、ベールアームにも
三次元的なヒネリが加わった。

これらのチューニングにより、ラインローラーの回転効率はSS-45Uタイプよりも向上し、糸ヨレは
約半減したという。

その他、ハンドルノブ軸にもボールベアリングが装着され、実釣時におけるリーリング時の回転
クォリティーも向上した。

SS-45から始まった第一世代45シリーズは、2000年のZ45T販売終了まで14年間にわたる機能の
熟成と互換性のある豊富なスプールバリエーションで、超遠投キス釣りから磯投げ、そしてキャス
ティング競技にと多くのユーザーを獲得した。


キャスティング時のフィーリングはSS-45,SS-45U,Z45Tとも共通で、人差し指へのラインキープ
性,キャスティング動作中のリール重心位置感覚などに大きな不満はない。

唯一スプールを最も前進させてラインキープする際に、ラインがスプールの前端部付近から出て
いる状態では、人差し指でのライン角度が鋭角になり過ぎるために抜け気味のキャスティングに
なりがちな点のみ、注意が必要である。

飛距離指数は1.025と、このモデル以前のダイワ・投げ専用リールの中では最高性能であり、
モデルチェンジの度に着実に飛距離アップを果たしていることが伺える。

ただし、ウイスカーTHEキャスターの飛距離指数:1.019からは0.006ポイント(=ST種目での
実飛距離差:約1.0m)の向上に過ぎず、ストロークが28mmから45mmへと1.6倍も大きくなった
割りには劇的な変化はみられない。