ダイワ
 ウイスカーTHEキャスター EX-8000

2014月1月19日現在

飛距離指数:1.019 (
★★★★☆
平均飛距離:169.52m

(テスト回数:32回)


スペック ウイスカーTHEキャスター EX-8000
発売時期 1985年
スプール 前端径 φ59.0mm
算出後端径 φ68.9mm
ストローク 28mm
勾 配 10度
エッジ開放角度 50度
全 長 70mm
糸巻き量 ナイロン2号−200m
材 質 本体:樹脂
リング:Si3N4(窒化珪素)
スカート あり
カタログ自重 450g
ナイロン2号糸込み質量 481g
フルストローク全長 175mm
オシュレーション方式 円筒カム複軸
等速:3.9度綾巻き
前後各4.1ターン
ボールベアリング 3個
ラインローラー SiC-U型
マスターギヤ 超ジュラルミン
(マシンカット)
メインシャフト スチール
φ5.0mm
ボディー&ロータ ウイスカー補強カーボン樹脂製
ボディー&
ロータ
ハンドルタイプ 左専用/85mm
ハンドルグリップ 樹脂
ロータ回転方向 時計回り
ギヤ比 1:4.1
メーカー希望小売価格 29,800円
1985年、プロキャスターSSシリーズの後継機として、ウイスカー・キャスターシリーズが登場。

このウイスカー・キャスターシリーズのフラッグシップモデルが、最新の材料工学技術を駆使した
超遠投モデル、ウイスカーTHEキャスターEX-8000である。

フラットワインディング機構はプロキャスターSSシリーズのシステムをそっくりそのまま流用し、
ストロークを28mmにストレッチ。
さらにスプール勾配を市販投げ専用リール最大の10度とした。

プロキャスターEX-9000Sの「飛び」を超えるマシンを、プロキャスターSSからの派生機種で実現
するために、スプールのストロークと勾配を最適化するためのテストを繰り返したダイワの自信作。

汎用モデルのウイスカー・キャスターSSシリーズでは、2〜3号ラインに対応するアルミニウム合金
製リング付きスプールに加えて、5〜6号ラインに対応するカーボン樹脂製替えスプールを装備
したが、超遠投モデル:ウイスカーTHEキャスターEX-8000については1〜2号に対応する窒化珪素
リング付きスプールだけを2個装備した。

スプールリング材の窒化珪素は耐衝撃特性に優れており、ライン放出時の摩擦抵抗を低減し
飛距離アップを実現するために50度の開放角を与えた。

また、ウイスカー・キャスターSSシリーズはプロキャスターSSシリーズと同じく左右両用70mm
ハンドルを装備したが、ウイスカーTHEキャスターEX-8000ではプロキャスターEX-9000S譲りの
軽量マシンカット85mmロングハンドルを採用しフラッグシップモデルとして差別化。

フラットワインディング機構はプロキャスターSSシリーズと全く同じであるが、メカの心臓部:
マスターギヤにはマシンカット・超ジュラルミン製を採用し、ギヤ歯精度と耐久性の向上を図って
いる。

プロキャスターSSシリーズではマグネシウム合金製ボディー&ロータによりリール自重の軽量化
を行ったが、ウイスカー・キャスターシリーズではその名の通り(SiC)ウイスカーを補強材として
添加したカーボン樹脂でボディー&ロータを成形している。

カーボン樹脂はマグネシウム合金よりも低比重なため同一肉厚で成形すれば軽量化が期待
できる。
しかし、質量当たりの強度(比強度)ではマグネシウム合金の方が高強度なため、カーボン樹脂
製ボディー&ロータでは肉厚を若干厚くする必要が生じる。

そこでSiCウイスカー(微小針状結晶)をカーボン樹脂に添加し、比強度を高めることでカーボン
樹脂製ボディー&ロータの薄肉軽量化を実現したのが、「ウイスカー」と称する複合材料である。

ボディー&ロータへの軽量材採用により、ストロークを28mmに拡大したウイスカー・キャスター
シリーズの自重は、ストローク:25mmのプロキャスターSSシリーズとほぼ同等の値を維持。

キャスティング時にリールが自重値以上に軽く感じられる点は、プロキャスターSS譲り。
ロッドだけを振っているイメージで一気に振り抜けることと、10度もあるスプールテーパー角と50度
のスプールリング開放角がもたらす抵抗感の全くないライン放出により、28mmストロークであり
ながら非常に優れた遠投性能を発揮する。

飛距離指数はこのクラスダントツの1.019をマークし、リョービ,シマノ,ダイワの35mmストローク
モデルの大半(ほぼ全て?)は射程圏内に。
ダイワ・サーフリール軍の中ではトーナメントプロキャスターSS-45シリーズに次ぐ高飛距離指数
であることから、もしもスプール装着がネジ込み式ではなくノブ式でタラシ長さの調整自由度が
高ければ・・・飛距離指数はさらに高くなったのではないかと思う。

なお、スプールテーパー角が10度もあるために、時々パーマなどのライントラブルを生じる。
しかし、発生頻度的には最新モデル:トーナメントサーフZ45シリーズよりほんの少し多い程度で
あり、十分に許容レベルである。



左:ウイスカーTHEキャスターのメカ内部  左:ウイスカーTHEキャスターのスプール着脱方法