2014年11月16日
                                                     

Report #092  御調山SC練習場回顧録

1996年6月某日、BORONプロスカイヤーPROTOTYPEの初テストのため、御調町のとある造成地へ行ってみました。
練習仲間のK氏から『練習できそうな場所があったよ』との情報で、寮から10分ほどで行ける御調町なら仕事の後
夕方のコソ練に都合が良いかもと、初めて行ってみたのでした。

この年はその後数回平日のコソ練をこの造成地で投げただけでしたが、翌年春からはコートを常設して備後協会の
方々と一緒に本格的に練習場として利用を開始。(もちろん、無断侵入ですが・・・)

毎週末になると10人近くの仲間が集まって、朝から夕暮れまで練習をしていました。

そして数年経つとさすがに雑草が生え茂り練習時にはラインの巻き取りにも支障となります。

シーズンオフの11月中旬になると日曜日の朝から練習仲間の皆さんで集まり、恒例行事のように午前中草刈りをして
午後はバーベキューを楽しむようになりました。

 
  2004年11月の草刈り&バーベキュー@      2004年11月の草刈り&バーベキューA

この頃には私にも家族ができ、子供たちも練習場に付いてきては凧揚げをしたりバッタを捕まえたりしていましたが、
特に息子は保育所に入る前から専用の竿とリールを与えていたので、18gのラバーシンカーを30mほど投げていました。


             2008年1月1日の初投げ

竿の握り方と糸の保持〜リリースだけ教えてあとは勝手に遊ばせていると、練習している大人たちの投げ方を見て
それなりにフォームを真似して投げることができるようになっていました。

小学校に上がると、18gのラバーシンカーから15号の鉛シンカーに格上げして、ジュニア種目の復活に繋がればとの
親の勝手な希望で、練習場に毎週のように連れて行っていました。

 
   2009年12月20日、息子が投げる           2009年12月20日、娘も投げる

いつまでもこんな日々が続けば良いなぁ。
将来は親子で競い合えたら良いのになぁ。


 2010年6月6日、北海道遠征1週間前 きれいに真似されてます

それでも気が付けば子供たちもそれぞれ熱中するものが見つかり、かつてのように練習に付いて来ることは稀に
なってしまいました。

子供たちが付いて来なくなると、また自分自身のキャスティング練習に没頭する日々が続きます。

 
   2009年3月27日、全プロスカイヤーの投げ比べ      2013年2月3日、ライン放出の瞬間を激写

雨が降ってても練習、雪が積もってても練習、腰が痛いのに練習。
仕事や家庭で発生したストレスは、この練習場で竿を振ることで全て発散していました。

 
 土砂降り&雷の中でも練習していました         雨の後は虹がキレイでした

周囲が100%自然な景色の練習場でもあり、自宅で飼育繁殖しているカブトムシを自然回帰させるための放虫も、
毎年行っていました。


   2013年7月28日、カブトムシを放虫

そして気が付くと、18年の月日が過ぎていました。何と人生の40%をこの練習場で過ごしたことになります。
余りに長く自由に練習ができていたので、まさかこの練習場が使えなくなる日のことを考えていませんでした。
自分自身の生活の中で、この練習場は無くてはならない存在であり、在って当たり前の存在となっていたのです。


 2014年2月9日、過去最大級の積雪でした

しかし現実は、ある日突然に事態が動き始めました。

『工場の建設が決まりました。』

その情報が入ってから約1ヶ月程経った2014年11月15日、とうとう地主様から『御調山SC練習場』の撤去命令が
下されたのでした。

こうして2014年11月16日、『御調山SC練習場』はその役目を終えて(そもそも無断侵入ですが)、『閉山』することと
なりました。

18年間ありがとうございました、『御調山SC練習場』。
最後に練習場の掃除と『グランドに礼』をして、お別れをしてきました。


  2014年11月16日、御調山SC練習場閉山(合成写真です)

なお、当HPは引き続きSC研究を続けて参りますので、ご安心ください。
ただ、かつてのように飛距離実測に基づく分析評価が当面できなくなると思われますので、その点はご了承を
お願いいたします。