'22年11月19日

Report #100  シマノ・22サーフランダー 405EX インプレッション

1. 38年ぶりの405EX、原点回帰です。

Report #098では、シマノ・21プロセレクト 405CX-Tの優れた性能として、
カレイ・アイナメ・チヌ・タイ狙いの置き竿釣法だけでなく手持ちサビキ
でのキス狙いまで、幅広く投げ釣りを楽しませてくれる特徴をレポート
しました。

 

しかしながら、21プロセレクト 405CX-Tで手持ちサビキのキス釣りを
楽しむ中で、ほんの少し物足りなさを感じていました。

竿先はキスのアタリを確実にキャッチして細かく震えてシグナルを
発信していますが、そのシグナルはロッドをホールドしている左手に
伝播するまでの間に減衰してしまっているようです。
(私は左手でロッドホールドして右手でリールのハンドルを回すので)

やはり4本継ぎ振り出し仕様はジョイント部で振動減衰が避けられない、
ということでしょうか。

その疑問を確認するために、4月の釣行では1984年製最古の愛竿、
シマノ・ハイパワーXプロセレクト 405EXを引っ張り出して手持ちサビキ
でキスを狙ってみました。

この日はキスの活性が極端に低い一方でヒトデの活性が異常に高く、
手持ちサビキでもヒトデが針掛かりしてきます。



それでもサビくコースやスピードを変えてみると、プロセレクト 405EXの
穂先はキスの前アタリと本アタリを確実に手元まで伝播しつつ低活性の
キスに違和感を与えることがなく、17.0〜20.5cmのキスを4匹釣りました。

最長寸:20.5cmのキスは、竿先を引き込むアタリだけでなく針掛かり後も
「ゴンゴンゴン」と強い引きが手元に伝わり、「これは25cm級かも?」
と期待したほどでした。





さらに、竿先を2mほど引き込む大アタリで、とんでもない大物が針掛かり
しました。

取り込み途中の獲物は何度も海底目指して潜行を繰り返しましたが、
ハリス1.5号が張り切れることなくタモ網で取り込みに成功しました。

獲物は、実寸38.5cmのアコウでした。



やはり手持ちサビキのキス釣りでは、振り出し仕様CXグレードよりも
並継ぎ仕様のEXグレードの方が、竿先がキャッチしたアタリを減衰する
ことなく手元に伝播してくれるので釣りを一層楽しめそうです。

38年前、本格的な投げ釣りをしたくて購入したプロセレクト 405EXは、
カーボンブランクスの層間剥離により反発力は大幅に衰えていますから、
現役続行は不可能です。

そこで、シマノのニューモデル:22サーフランダー 405EXを手持ちサビキ
のキス釣り専用として新たに購入することにしました。



38年ぶりの405EXは、純粋に投げ釣りを楽しむための原点回帰ロッド、
でもあります。



そんなシマノ・22サーフランダー 405EXのインプレッションです。

2. スペックと外観

22サーフランダー 405EXのスペック一覧を表1に示します。

表1 22サーフランダー 405EXのスペック一覧
ロッド シマノ
22サーフランダー 405EX
全長実測値 4,073 mm
先径実測値 2.35 mm
元径実測値 22.20 mm
ガイド&
リールシート付き
自重実測値
#1セクション 44 g
#2セクション 111 g
#3セクション 199 g
全セクション 355 g
ロッドトップ
からの距離

(ガイド,シート種)

<ブランクス径>
※ガイドロック
補強部外上側径

(ブランク勾配)
※一つ上側測定部
との間の勾配角度
TOPガイド 0 mm
(PLGST7-2.4)
<2.35 mm>
#2ガイド 141 mm
(PLKWSG7S)
<3.20 mm>
 (0.206°)
#3ガイド 301 mm
(PLKWSG8S)
<4.00 mm>
 (0.143°)
#4ガイド 502 mm
(PLKWSG10S)
<5.15 mm> (0.164°)
#5ガイド 770mm
(PKWSG12S)
<6.45 mm> (0.139°)
#6ガイド 1,197mm
(PKWSG16S)
<8.50 mm> (0.124°)
#1セクション最太部
(非補強部)
1,250 mm
<8.85 mm>
 (0.189°)
#2セクション最細部
(非補強部)
1,465 mm
<11.25 mm>
#7ガイド 1,935 mm
(W04 21)
<13.50 mm> (0.137°)
#2セクション最太部
(非補強部)
2,570 mm
<16.55 mm>
 (0.138°)
#3セクション最細部
(非補強部)
2,854 mm
<19.20 mm>
リールシート 3,305 mm
(NS-7)
<20.15 mm>
 (0.065°)
ロッドエンドより
280mm上
3,804 mm
<21.35 mm>
 (0.069°)
標準小売価格(ロッド単体;税別) 47,000円


22サーフランダーは、シマノ・投げロッド商品群の中では実売価格が
3万円台の中級者向けモデルに位置付けられていますが、従来モデル
に比べると1クラス上の塗装品質とブランクス構造にアップグレード
しているようです。

ブランクス外装にはメタリック調エメラルドグリーンの塗装が施され、
カーボン繊維の模様はほとんど目視できません。



その塗装膜は発色層とクリア層に十分な膜厚を持っているようで、
従来の中級者向けロッドにはない質感を発揮しています。

そんな22サーフランダー 405EXの特徴などを分析してみましょう。

 @#1セクション
  やはり最新モデルのEXグレードは竿先径が細く作られています。
  実測径は2.35mmしかなく、高感度そうな竿先となっています。

  

  ブランクス勾配は特殊な設計をされている風でもなく、アタリを
  キャッチするための先端側400mmが平均0.18度、竿先がキャッチした
  アタリを増幅して#2セクションに伝達する元竿側850mmが平均0.14度
  と若干勾配量に変化を与えているようです。

  振り出し仕様の21プロセレクト 405CX-Tの#1セクションもほぼ同じ
  ブランクス勾配に設定されていることから、この勾配設定が最近の
  シマノ製投げ竿#1セクションの標準仕様となっているようです。

  ブランクスにはシマノ定番のハイパワーX構造が採用されており、
  最表層にカーボンテープがX状に巻かれているため凹凸があります。

  

  ハイパワーX構造の恩恵かどうかは分かりませんが、細身ながら
  張りのある#1セクションとなっており、穂先トップガイドから
  #4ガイドの間はしなやかさも併せ持った、食い込み重視の調子と
  なっているようです。

  従来の並継ぎロッドジョイント部は、塗装された部位と逆テーパー
  研磨部位との間が段差無く成形されていましたが、22サーフランダー
  では塗装部位と逆テーパー研磨部位との間に外径で約0.25mmの段差
  があります。

  

  このジョイント部仕様は、キャストフィールやアタリ感度には全く影響
  は無いと推測します。

  恐らくですがジョイント部の固着防止改善、もしくはインドネシア工場
  でのジョイント部研磨工程を容易化するための仕様かと推測します。

 A#2セクション
  #2セクションのブランクス勾配は補強部位を除くと平均約0.14度で
  ほぼ一定となっています。

  つまり、#1セクションの元側2/3とほぼ同じブランクス勾配で
  #2セクションも製竿されている、ということになります。

  このブランクス設計からロッドキャラクターを推測すると、軽く振って
  も曲げ易く良く飛ぶ遠投性能と、針に掛かった獲物を確実に浮かせる
  取り込み性能を両立することを優先して設計されたのではないか?
  と考えます。

  ブランクス勾配が一定ということは、ロッドの曲がりに節を生じずに、
  入力された荷重が局所的に蓄積・作用することなく#3セクションに
  伝わると考えられるからです。

  ブランクスはハイパワーX構造に加えてスパイラルX構造が採用されて
  おり、外観的なX状カーボンテープの凹凸だけでなく、内層にも2重に
  スパイラルカーボンテープが巻き付けられています。

  スパイラルX構造はブランクスの断面つぶれ方向で圧縮強度を向上し、
  曲がった状態からの復元力により突っ張り過ぎない素直な反発力を
  発揮してくれることが期待できます。

  

  投げる時も獲物を取り込む時も、ロッドが反発力を自己主張する
  のではなく、求められた分だけさりげなく反発力を発生してくれる、
  そんなブランクス設計なのではないかと推測します。

  22サーフランダーのカタログコピーでも、
  「マイルドチューンで振り切りやすく、投げやすい。」
  と謳われていることから、マイルドチューン=一定ブランクス勾配設計
  という意味合いなのかも知れません。

  #2セクションと#3セクションの玉口は、旧モデルの金属製口金付き
  からカーボン繊維で補強した玉口にアップグレードされています。

  標準装備で玉口保護用「Pリング」がセットされていますが、好みに
  応じてPリングを外して使用することも可能です。

  
  #2セクションと#3セクションのカーボン繊維補強玉口

  
  玉口保護用「Pリング」装着状態

  #2セクションの玉口部カーボン繊維補強区間長さは約100mmで、
  この区間の最大ブランクス外径が11.70〜11.60mmとなっていること
  から、約0.2mm厚さのカーボン繊維で#1セクションとのジョイント区間
  全体が補強されていることになります。

  ジョイント部は#1セクションと同様に、塗装部位と逆テーパー研磨部位
  のブランクス外径に段差がありますが、段差部の外径差は0.10mmと
  なっており#1セクションに比べると小さくなっています。

  

 B#3セクション
  #3セクションのブランクス勾配は、補強部位を除くと平均約0.065度で
  ほぼ一定となっています。

  やはり、「振り切りやすく、投げやすい」点に特化したブランクス
  勾配設定なのでしょう。

  ブラックスは#2セクションと同様に、ハイパワーX構造とスパイラルX
  構造が採用されています。

  

  #3セクションの玉口部カーボン繊維補強区間長さは約200mmで、
  この区間の最大ブランクス外径が20.25mmとなっていることから、
  最大約0.5mm厚さのカーボン繊維で#2セクションとのジョイント区間
  全体が補強されていることになります。

  最大の飛距離を得るためにロッドを目一杯曲げて投げても折れない
  ように、玉口部からジョイント部にかけてしっかりカーボン繊維で
  補強されているようです。

  経験的に、リールシート付近のブランクス径は20〜23mmが握り易い
  と考えますが、22サーフランダー 405EXでは20.15mmとなっており、
  ロッドホールド性が良く遠投性能とアタリ感度の両立が期待されます。

  

  エンドグリップは旧モデルの樹脂製キャスコングリップからカーボン
  一体成形キャスコングリップにアップグレードされています。

  

  カーボン一体成形キャスコングリップは、歴代スピンパワー等の
  上位機種と同一形状であり、標準装備はありませんが
  B-WEIGHTS CAXWタイプのバランスウエイトを取り付けることが
  可能です。

  

  私自身は、手持ちサビキでのキス釣りを想定してバランスウエイトを
  30g装着して使用しています。

 Cガイドセッティング
  ガイドセッティングは新コンセプトに進化したようで、MNSTガイドや
  KWSGガイドよりもフレームを細身・低重心化したLGST型の
  トップガイドとLKWSG型の#2〜#4ガイド,KWSG型の#5〜#6ガイドが
  装着されています。

  
  トップガイドはパイプ部が短いLGST型

  
  #2〜#4ガイドはフット間隔が短いLKWSG型

  
  #5〜#6ガイドはごく一般的なKWSG型

  ガイドリングのサイズは極細PEラインの使用を想定した小径ガイド
  セッティングとなっており、トップガイドから順に7mm〜7mm〜8mm
  〜10mm〜12mm〜16mm〜22mmサイズです。
  (いずれもリング外径表示)

  特にトップガイドから#4ガイドの細身・低重心化とガイドフット間隔
  の短縮は、キスの繊細なアタリをキャッチする場面で穂先感度の
  向上が期待できます。

  外観的にはLKWSG型とKWSG型の組み合わせでも違和感はなく、
  じっくりと眺めないと#2〜#4ガイドが一般的なKWガイドよりも細く
  低くなっていることに気付かないかも知れません。

  ガイドピッチはシマノ製投げ竿では標準化されたピッチのようで、
  トップガイドを起点として140mm〜300mm〜500mm〜770mm〜
  1200mm〜1935mmの位置にガイドが配置されています。

  穂先のアタリ感度とキャスティング時のロッドの曲がり、そしてライン
  通過抵抗のそれぞれを満足する、ベストポジションだと思われます。

  私自身は手持ちサビキのキス釣りでもナイロン4号ライン+
  力糸ナイロン8号ラインの組み合わせを多用しますから、この仕様でも
  問題なくキャスト&リーリングができるのかが少し気になる所です。

  22サーフランダーのガイドセッティングで目玉となるのが、#7ガイド:
  「Xガイドキャストチタン」です。

  フレーム形状はローライダーガイド:LCSG20(内径:13.9mm)に似て
  いますが、リール側に導入フランジ形状を設けたのガイドリング
  (内径:16.8mm/外径:22.6mm)を採用し、キャスティング時のライン
  通過抵抗を低減して糸絡みトラブルを抑制しているそうです。

  
  #7ガイド:「Xガイドキャストチタン」のフランジリング

  
  #7ガイド:「Xガイドキャストチタン」のフレーム形状

  XガイドキャストチタンのガイドリングはSi3N4(窒化ケイ素)製
  ですが、#7ガイドの役割としてはキャスティング時にスプールから
  放出されたラインを整流するためのチョークガイドですから、
  SiCでなくてもSi3N4でも何ら問題はないでしょう。

  なお、Xガイドキャストチタンのフレーム材の窓形状部の内周には
  プレス打ち抜き痕と思われる筋状の加工痕が残っており、仕上げの
  粗さが少し気になりました。

  

  キススペシャルからスピンパワーやサーフランダーまで、共通仕様
  のオリジナルガイドとして展開するのであれば、プレス打ち抜き痕は
  バレル研磨やショットブラストなどで加工表面を滑らかに仕上げて
  いただきたいものですが・・・

  なお、7点ガイド+リールシートの固定スレッドは、#7ガイド:
  Xガイドキャストチタンとリールシート部のみロッド本体と同色塗装
  が施されています。

  トップガイドから#6ガイドは黒色スレッドにクリア樹脂コートで、
  過剰装飾によるコストアップを控えたようです。

  リールシートはステンレス鋼製のNS-7がロッドエンドから780mm位置
  に設置されています。

  
  写真上:ハイパワーXプロセレクト 405EX・・・800mm位置
  写真下:22サーフランダー 405EX・・・780mm位置

  個人的には、もうあと20mmでもグリップエンドからリールシートまで
  のリーチが長ければ、キャスティング精度が向上するのですが・・・

  ハイパワーXプロセレクト 405EXのリールシートは800mm位置に設置
  されていますから、できれば22サーフランダー 405EXも800mm位置に
  設置して欲しかったですね。

3. 実投&実釣フィーリング

22サーフランダー 405EXでの初釣行は、PE1.0号ラインで遠投して
キスを狙いました。

シマノ・13スーパーエアロ サーフリーダーCI4+35との組み合わせで、
シンカーは23〜25号を使用します。


一番右が22サーフランダー 405EX

遠投性能とアタリ感度,食い込みの良さと、手持ちサビキ釣りを楽しむ
上でのロッドの持ち重り感をチェックしましたが、まず第一印象として、
「めちゃくちゃ軽い!」と衝撃を受けました。

特に、#7ガイドからリールシートにかけての区間が他のロッドと比べて
軽く感じました。

昨年シーズンに手持ちサビキ釣りを楽しんだ21プロセレクト 405CX-Tも
自重:390gと軽く持ち重り感はありませんが、22サーフランダー 405EX
は実測自重:355gしかなく、異次元の軽さで手持ちサビキ釣りが断然
楽になりました。

特に違いを感じた点は、#7ガイドの質量感でしょうか。

21プロセレクト 405CX-Tにはリング内径:23.6mmのT-RVSG-30ガイド
が装着されていますが、22サーフランダー 405EXはリング内径:16.8mm
のXガイドキャストチタンが装着されており、大幅にスリム化しています。


左:22サーフランダー 405EX,右:21プロセレクト 405CX-T


22サーフランダーの「Xガイドキャストチタン」


21プロセレクト 405CX-TのT-RVSG-30ガイド

また、置き竿での大物釣りを想定した21プロセレクト 405CX-Tの#3,#4
セクションは、並継ぎロッドに匹敵する厚肉ブランクスとなっていますが、
22サーフランダー 405EXの#2,#3セクションは適度な張りを持たせた
細身軽量ブランクスとなっている点でも、軽量感が増しているようです。

細くて軽い22サーフランダー 405EXですが、遠投性能は歴代シマノ製
投げ竿の血統を受け継いでおり、曲げ易くリリースポイントも掴み易い
ため、誰でも簡単に遠投が可能な仕様となっています。

22サーフランダー 405EXは、キャスティング時のロッドのしなり具合と
サビキ時の穂先感度とのバランスから23〜25号シンカーが最適範囲で、
軽く振り切るだけで5色=135m〜風コンディションが良ければ5.5色
=145mが射程圏内に入る遠投性能を有しています。

念のため、22サーフランダー 405EXと21プロセレクト 405CX-Tを川の
練習場に持ち込み、キャスティング競技第5種目(25号シンカー,
ナイロン2号ライン+力糸16号,)で各8投の飛距離測定とロッドの曲がり
も確認しています。


22サーフランダー 405EX
 上位60%平均飛距離:144.1m,最長飛距離:148.6m



21プロセレクト 405CX-T
 上位60%平均飛距離:150.1m,最長飛距離:151.0m


22サーフランダー 405EXの飛距離は21プロセレクト 405CX-Tの飛距離
に6m及びませんでしたが、軽く振り切るだけでロッドは限界近くまで
曲げることができ、腰砕けになることなくそこからの反発力は十分に
備わっていました。

ロッドが完全に反発した後、穂先が暴れることなく直ぐに振動減衰する
ので、ライントラブルもなく快適にキャスティングができます。

23〜25号シンカーでも5.5色までの遠投が可能なら、シンカー着水音も
小さく抑えられますし、キスがエサを咥えて走った際の抵抗も小さくなり
ますから、キスを針に掛ける確率もアップする期待が持てます。

実釣は、遠投ポイントではPE0.8〜1.0号ラインを、近投ポイントでは
ナイロン4号ラインでキスを狙いましたが、どちらのコンディションでも
先径:2.35mmの柔軟穂先がキスのアタリを正確にキャッチしてロッドを
ホールドしている左手まで減衰することなく振動を伝播してくれました。



やはり期待した通り、振り出し仕様の21プロセレクト 405CX-Tよりも
ロッド全域で感度が向上しており、目と手でキスのアタリを検知すること
が可能になりました。

「小さな大物、キス」とも言われるように、大きさの割りに強い引きが
楽しめるのもキス釣りの魅力ですが、22サーフランダー 405EXなら
針に掛かったキスを取り込む場面でも魚の引きと重量感が手元に
強く伝わるため、楽しさが倍増します。

特に20cmオーバーのキスが掛かった時や、キスの連掛けに成功した時
などは、取り込み中にキスの強い引きを堪能できます。



また、当初不安に感じていたナイロン4号ラインでも小径ガイドを難なく
通り抜けるので、ライントラブルなくキャスト&リーリングが可能でした。

もちろんナイロンラインでもアタリを正確にキャッチできて、キス以外の
魚種はアタリの違いも判別できました。



22サーフランダー 405EXが1本あれば、夏の高活性キスだけでなく
冬の食い渋る越冬ギスまで、ナイロンラインからPEラインまで幅広い
ラインシステムで投げ釣りを楽しむことができそうです。


 2022/6/24 22サーフランダー 405EXでのキス釣りの釣果

4. まとめ

2022年春に発売された22サーフランダーは、ビギナーから上級者まで
幅広いキャスターに満足されるロッド、とシマノWEBサイトでも謳われて
います。

実際にこのロッドで投げて釣ってみると、もしかすると05スピンパワー
に匹敵する遠投性能とアタリ感度を、現代の製竿技術で復刻したのか?
と思わせるくらい高性能・高品質なロッドに仕上がっていました。

実売価格が3万円台であるにも関わらず、20スピンパワーと同じく
Xガイドキャストチタンを装備し、ハイパワーX構造+スパイラルX構造の
カーボン積層パターンや、カーボン繊維補強玉口,一体成形キャスコン
グリップなどを備えています。

19アクセルスピンや20スピンパワーは#3セクションが長い不等長並継ぎ
で遠投キス数釣りに特化した仕様ですが、22サーフランダーはごく普通
の等長並継ぎなので、複数のロッドを携行する置き竿釣法も考慮した
仕様となっています。

等長並継ぎでも、22サーフランダー 405EXは軽く振り切るだけで難なく
140mオーバーの飛距離が出せるロッドであり、極細PEラインはもちろん
ナイロン4号ラインも十分実用可能なガイドセッティングですから、手持ち
サビキのキス釣りに限らずカレイやアイナメ狙いの置き竿釣法にも対応
可能です。

21プロセレクトや19アクセルスピンには設定がない25号負荷EXグレード
が22サーフランダーには設定されているので、EXグレードにこだわりを
持っている私にとっては投げ釣りを楽しむための原点回帰ロッドとして
ベストチョイスでした。

手持ちサビキをメインに夜の置き竿釣りも含めて、キス狙いの釣行では
プロセレクト 405EXに代わって22サーフランダー 405EXを長く使って
いこうと思います。