2006年09月29日
Report #046 2006年中四九親善SC大会レポート 


2006年9月24日、東広島市河内町広島空港流通団地にて、中四九親善SC大会が開催
されました。

心配された台風も進路が逸れ、当日はやや強い向かい風ながら秋晴れのもと、午前7時30分
より 競技が開始されました。



パート1:普通種目

競技の第一部:普通種目には、御調山SC研究所からの参加者は、
・第1種目:松本選手,吉川選手
・第3種目:薬師寺選手,巻幡選手
・第4種目:林選手
の5名が参加。

各選手ともに優勝が狙える実力を持っているだけに、熱戦が予想されました。

第1種目ではスウィング中のライン切れに加えてシンカー飛行中にも突然のバックラッシュ糸切れ
が生じ易く、見ている方にも緊張が走ります。

夏季通信大会以降肩の痛みを我慢して投擲の松本選手(福山サーフ)が、絶妙な力加減?で
3投平均:147.56mを投げて優勝。

一方、数ヶ月ぶりにロッドを振った吉川選手(OFサーフ)は意外や意外のライン切れファールなしの
3投平均:139.79mで準優勝となりました。

第3種目では、全日本3種目でも必ずトップ争いに加わる北九州協会:小谷選手(投好会)と、
薬師寺選手(水軍サーフ),巻幡選手(水軍サーフ)の御調山陣営がバトルを展開。

フィニッシュでロッドの押し込みに迫力を欠いたものの、薬師寺選手が130m超を3本揃えて、
3投平均:131.65mで優勝。

小谷選手は低めで初速の強い弾道を連発し、3投平均:129.26mで準優勝。
巻幡選手は残念ながら130m超が出ずに、3投平均:127.05mで3位となりました。

第4種目では、ブッチギリ優勝が期待された林選手(水軍サーフ)ですが、大会直前に指先を負傷!
ロッドを握ると痛みが走る・・・と不安な様子で第3投目あたりから徐々にパワーオン。
結果4m/sほどの強い向かい風の中155〜158mを3本揃えて、3投平均:156.46m逃げ切り優勝。

準優勝には、スピード感溢れる美しいフォームで3投平均:155.27mを投げた北九州協会:浜崎選手
(飛幡サーフ)が入りました。

第6種目には、北九州協会:中島選手(福岡サーフ)一名だけの参加でしたが、向かい風が徐々に
強まる中でも165m,174m,179m,182mと飛距離をアップされる中島選手の気迫,技術,パワーに、
観衆からも拍手が沸き起こりました。

今大会は大分協会・N選手の参加がなく、第6種目での熱戦が欠けた点が残念でしたが・・・ 。

パート2:第5種目

第5種目では、三戸選手,応谷選手,石原選手,近藤選手が御調山SC会より参戦。

前日の練習会でもブッチギリだった三戸選手(広島リールクラブ)が、1投目から向かい風を
ものとも しない弾道で180mオーバーを連発!
5投目にはとうとう190mを超えてしまい、計測側は50mダッシュで大変でした。
(計測員の退避エリアは140mラインに設置されています。)
結果、3投平均:189.08mでダントツ優勝。

一方で、練習では安定感の高い応谷選手(尾道磯釣サーフ)ですが、ロッドを
サンダウナーCompetition-U40-405に変更して以来、本番では不調気味・・・
180m超は1本しかでず、3投平均:179.66mで3位となりました。

ちなみに、準優勝は広島協会・樺沢選手(呉サーフ)で3投平均:179.82m。
樺沢選手は長年ST種目を続けていましたが、今年の夏季通信大会より5種目にコンバート。
ST種目時代から迫力のあるスウィングが取り柄でしたが、高さ1m×幅1.5mのケージ制限が
なくなった5種目ではスウィングの豪快さが一気に増しました。

そして、御調山SC会メンバーの中では練習量No.1の石原選手(福山サーフ)は、コート左前方から
吹き付ける風を上手く利用し、サウスポーならではのコート左ラインから右一杯に流し込む弾道で
コンスタントに172〜174mキャスト。
3投平均:173.52mで4位となりました。

さてさて、ここで我らが御調山SC研究所の長老、近藤選手(尾道磯釣サーフ)の登場。
しかし、セットポジションからフィニッシュポジションまでのロッドスウィングがやけに小さく、コンパクト
にロッドを振り終えてしまってします。

従って、フィニッシュでの体の軸線がコート右サイドラインに正対しており、シンカー弾道はさらに
右寄り・・・
1投目から3投目までストレートの3Fで一足先に大会を終えました。

近藤選手も8月からロッドをサンダウナーCompetition-U35-425に変更していたのですが、
前日の不調を理由に大会本番ロッドをスピンパワーSC425AXに戻した結果、リリースタイミングに
狂いが生じたことが敗因の様子です。

その他第5種目で注目すべき選手は、今大会残念ながら3Fとなりましたが上村選手
(広島グリーンキャスターズ)でしょう。

投擲フォームに無駄がなく、ロッドさばきが滑らかなためにシンカーが向かい風にも失速せず、
4位入賞の石原選手に肉薄する飛距離(173〜174m)を2本出していました。

投擲安定度が増し、フェアゾーンを的確に捉えることができれば、上位争いに加わることは
間違いないでしょう 。

パート3:ST-A種目

お昼近くになり、ようやく私(真鍋)の出番です。

御調山SC研究所からは私一人の参加ですが、種目内の顔ぶれはいつもと同じ。
ただし、こちらも大分協会・I選手が不参加で、少し寂しい大会になりました。

競技開始時点では正面から約2m/sの向かい風。
頭の隅には、昨年大会での四苦八苦がフラッシュバックしてきます。
吹き付ける風に翻弄され、敢えて低めの弾丸ライナーを打った結果に無念の逆転負け。

今年は風を気にせず、ただただ自分にとってベストの弾道を5本揃えるつもりで競技に臨みました。
結果的にはそれが吉と出て、1投目から想定外の175mオーバーを投げてしまいました。

いつも熱戦となる北九州協会・小関選手(投好会)も1投目に171mをマークしており、残り4投油断
できない競技が続くと予想。
向かい風も徐々に強くなってきていることから、1投1投をノーミスで投げ切ることに神経を集中します。

風速3〜4m/sとなった2,3投目では、投擲ケージ内で1分ギリギリまで風が収まるのを待つ選手も。
しかし、風を待つことで緊張感が途切れ、サイドラインを切ってしまったり引掛けキャストでファールする
選手が続出。

優勝候補の一角、小関選手も3投目に風の餌食となってしまいます。

私はというと、風が収まるのを待たず、STケージ内に入った後は自分のリズムで投擲動作を開始。
向かい風が吹くと燃えてくる性分なので、ここぞとばかりに163〜165mを揃えておきます。
感覚的には、3投目の163m弾が今大会のベストショットでしたが、いかんせん風コンディションが
最悪でした。

練習では160mを切っても不思議ではない強風でしたから、その中での163mは大満足の飛距離です。

ところがここで大きな誤算が。
予報では風は吹き続ける筈だったのですが、あろうことか風が収まってきたではありませんか!
4投目で小関選手が169mをマークすると、私もついついリキミが入ってしまいます。
3投目に匹敵する好感触でスウィング動作を終えたのですが、痛恨のライントラブルで糸切れファール!

ここまでの小関選手との2投平均競争ではほぼ互角ですから、5投目で勝負が決まることになりました。
そして5投目セッション。

先に投擲する小関選手が文句なしの滑らか&パワフルなスウィングでとうとう182.27mの大金星!
3投平均:174.24mが確定。

一瞬風が止まったかに思えましたが、また正面からそよそよと吹き付けてきました・・・
ここで冷静に状況を分析。

いつもの私ならば、ここで183mを狙って9割方自滅する。
リキミが入れば体のキレがなくなり、左へ引掛け弾を打つか、ライントラブルそれともスッポ抜け。
ならば、と1投目のフィーリングで自己のサードスコア(163m)更新だけに専念する。
さもなければ、準優勝のポジションすら失いかねない。

ここは冷静に175mオーバーを狙って・・・少しおつりがくる177.49mを投げることができた。
そよそよ向かい風のコンディションでは十分上出来の飛距離だろう。
3投平均:172.97mが確定。

5投目を終えてラインを巻き取っていると、私の次の投擲順である山口協会・水野選手(西京サーフ)
の投擲が目に入った。 シャープに振り切り、弾道も申し分ない。
計測の結果175.49mで、3投平均:169.10mが確定。
常に私の飛距離から2〜3m圏内に投げていることから、10月の選手権では脅威となるかも・・・

結果、小関選手が優勝、私が準優勝,水野選手が3位となりました。

私個人的には、昨年夏から続いたスランプが、ようやく7月の記録会,8月の通信大会
(兵庫&広島の2戦)で回復傾向を実感し、今大会では順位こそ2番手でしたが内容的に悔いの
残らない競技ができたので一歩前進です。

何よりも、1投1投が納得の飛距離に繋がっており、キャスティングがとても楽しめたことが一番の
収穫ではないだろうか?

日頃の練習では師匠的存在の応谷選手,林選手からも、4投目,5投目あたりには
「落ち着いて行けよ〜」とアドバイスを受けたことが、少なからず良い結果に繋がったと思います。

次戦、全日本SC選手権でも冷静に、キャスティングが楽しめるよう頑張りたいです 。

パート4:ST-B種目

ST-B種目では、超ベテラン選手たちの綺麗なフォームが観戦できます。
中でも最も参考にさせて頂いているのが北九州協会・戸畑サーフの中村選手と荒田選手の
お二方です。

キャスティング動作の最中には体の芯がブレることなく、真正面にロッドを振り下ろします。
初め静止状態にあるロッドは、まるで生き物がノソッと動き始めるかのように加速し、ジワリと穂先
からバットにかけて湾曲します。

その次の瞬間、シンカーが空の一点めがけて駆け上がって行き、跡に残されたロッドはほんの
2,3回リバウンドすると何事もなかったかのように減衰収束します。

ST-A種目のときとほぼ同様に、そよそよと向かい風が吹くコンディションに各選手とも苦戦を
強いられている様子で、なかなか160m超の記録がでません。

競技後半の4投目,5投目で、山口協会・鈴木選手(西京サーフ)が167.78m,162.72mと素晴らしい
飛距離を連発し、3投平均:163.35mで他選手を一気に引き離し優勝。

やはり4投目,5投目で164.01m,161.14mと鈴木選手に次ぐ好飛距離をマークした、荒田選手が
準優勝となりました。

パート5:ポイント種目

ポイント種目では、連盟SC事務局長の香川協会・松井選手(瀬戸大橋クラブ)が他選手を圧倒!
最短記録:0.54mのスーパーショットの際には、

「あれ?ポールに当たってるんじゃないの?」
「メジャー30cmくらいしか伸ばしてないんじゃない?」

と、計測を遠目に見守ります。

さらに次の投擲では1.28mのまたもやスーパーショット!
結果、3投合計:5.05mでダントツ優勝でした。

むすび

今大会開催に先立ち、広島協会の皆様には猛暑の中8月よりグラウンドの草刈りをして頂き、
とても気持ちよいキャスティングができました。

また、当日は遠く愛媛協会から大勢の大会運営の方々にお越し頂き、スムーズな競技進行と
表彰式では手作りの表彰状までご用意頂き、とても楽しく思い出になる一日となりました。

今大会でお世話になりました皆様に、心よりお礼申し上げます。