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Report #051  2007年全日本SC協会対抗戦〜ST種目熱投レポート

2007513日、東広島市河内町広島空港流通工業団地にて、全日本SC協会対抗戦が開催された。
この日に向けて、冬のシーズンオフ間から西宮天狗クラブのメンバーはST種目の猛特訓に励まれた様子。
先の兵庫協会春季SC通信大会でも、川端泰三選手の協会記録更新,徳田選手の自己記録大幅更新と
ビッグアーチを連発!
両選手の目付き,フォームを見れば相当な練習を行ってきていることは一目瞭然で、13月に練習量が
激減した私は少々焦り気味・・・
春季通信大会終了後には、「5月の協会対抗戦でST種目団体12独占&日本記録更新が目標だ!!!」
と聞かされた私は更に焦った。
チーム編成は純西宮天狗クラブチームとして、川端泰三選手,坪田選手,川端竜二選手,徳田選手が
A
チームに。

そして、永谷選手,植田選手,船曳選手の三名に私が加わりBチームが編成され、私自身は協会対抗戦
直前の1ヶ月をとにかく練習練習の週末で過ごした。
練習メニューは苦手な追い風の攻略法から得意の左横風〜向かい風傾向での更なる戦力アップ、
そして強風とともに降りしきる雨の中での投げ込みや、大会会場となる広島空港流通工業団地での
実地練習まであらゆる状況を想定して投げ込んだ。
こうして迎えた大会当日、5投中4投は文句なしのパーフェクトキャストができる自信を持って大会に臨んだ。

1. 競技開始:北西の風1.5m/sのち北北西の風4.0m/s

そよそよと左からの横風が吹く第1投目、Aチーム主将の川端泰三選手が175.60mをマークすれば、
副主将の坪田選手も174.65mをマーク。
さらに新鋭・徳田選手も168.92mとそれぞれ絶好調の様子。

続くBチームも、私の172mを皮切りに船曳選手:171m,永谷選手:161mと上々の滑り出し。
この流れで5投できれば、団体戦12独占はもちろん個人戦での表彰台独占も夢ではないかも?
と期待が膨らむ。


川端泰三選手の投擲

ところが、競技が進むにつれて風が強まり、センターに打ち上げたシンカーが右サイドラインを超えて
ファールとなる選手も続出。

日頃から向かい風や横風で練習していない選手はこのコート特有の風に翻弄されるのだが、向かい風
を大好物とする私にとっては勝ちパターンにはまる絶好のコンディション。
西宮天狗クラブの各選手も横風に押されて150160m台に飛距離ダウンしてしまったが、私の方は
ここぞとばかりに173179mの好飛距離を連発し、前半3投でキッチリスコアを揃えることに成功。


真鍋の投擲

あとは後半戦での強豪協会エース選手・・・大阪協会・日置選手,北九州協会・小関選手,山口協会・
水野選手,大分協会・永松選手,同・井上選手の動向を見守るばかり。
というのも、第3投目を終えて計測当番となった私に想定外のアクシデント・・・持病の腰痛発症が。
残り2投で万全のキャスティングはちょっと出来そうにないかな?という感じの腰痛で、最後まで諦めない
気持ちはあるのだが腰痛が出たのではマトモに投げることができないのは練習時のデータからも明らか。
ここはあまり欲張らずに投擲時コンディションに合わせて弾道高度や方向性をフルコントロールする
テクニックを試すことでキャスティングを楽しもうではないか、と作戦変更。
4投目は絶妙な弾道高度方向性で、横風に乗せたシンカーをコートセンターに回し込み着弾。
正面からの強風となった第5投目は究極の低弾道向かい風スペシャルを打ち込み自己陶酔。
長年ST種目を専門に取組んできたことで身に付いた妙技を自画自賛して投擲を楽しんだ。

この間、幸いにも強豪選手たちは強まる風に成す術なしといった状態で、成績表には「F」の文字が並ぶ。
そんな中、小関選手が第1投目〜第2投目の174〜175m弾に続いて第4投目に172m台を記録。
ここ数年の大会ではいつも小関選手との競り合いとなっているが、小関選手も向かい風コンディションが
得意であり、第5投目が終わるまで油断はできない。

小関選手の投擲


永松選手の投擲

また、永松選手はサウスポー特有の左サイドライン一杯の弾道からセンター寄りに流し込むベテランの
妙技でST-B種目最長となる168.73mをマーク。

残念ながら強まった風により170mに少し届かなかったが、ST-A種目上位陣の飛距離が160〜165mに
落ち込んでいた中盤セッションの中ではダントツに勢いがあり、ギャラリーからも「これは行った!」との
歓声が上がっていた。

一方で永松選手のチームメイト・井上選手は第1投目で175.99mのセッション最長をマークしたが、その後
ストレートの3F・・・
吹き付ける風に弾道は歪められ、センターを捉えてもファールという状況はさらに波乱を引き起こす。
前半戦で185.28mの暫定最長飛距離を投げていた日置選手が第3投目から第5投目にまさかまさかの
ストレート3Fで戦線離脱。

そのような中で、団体戦1,2独占の確率も高まり士気上がる西宮天狗クラブの各選手では、第4投目〜
第5投目に165〜170mの好飛距離をマークした川端泰三選手と161〜164mをマークした坪田選手が
Aチームを牽引。

徳田選手,植田選手が2Fからの第5投目で難なくフェアゾーンを捉え、チーム全員8人が3Fなしとなり
握手で健闘を称えあった。

2. 結果発表

結果、兵庫協会AチームとBチームが悲願の団体戦12位独占を果たし、ST-A種目個人戦でも私が
小関選手の猛追から1m逃げ切り全日本SC通算5回目の優勝。

西宮天狗クラブのエース・川端泰三選手が3位表彰台に上がれば僚友・坪田選手,新鋭・船曳選手が
4位,5位に入賞、兵庫協会ST種目団長・永谷選手もST-B種目個人戦で4位に入賞し、「ST王国兵庫」の
復活を記念する歴史的快挙?を果たせたが、これもひとえに西宮天狗クラブチームをここまで牽引した
永谷選手のお蔭と深く感謝致します。

残念ながら団体戦日本記録更新とまではいかなかったが、1,2独占の目標を達成した充実感で感無量。


一方、活躍が期待された徳田選手は2Fからの最終投擲が146mのサードスコアとなり上位入賞は逃した。
あと一本の安定性が身に付けば表彰台も夢ではないのだが・・・
次の全日本SC選手権では徳田選手の活躍に期待しよう。

また、他協会選手では個人戦優勝最有力候補だった大阪協会・日置選手や、大分協会・井上選手が残念
なことに3Fとなってしまい、山口協会・水野選手もガイドセッティングの熟成が不足気味か?ライントラブル
に悩まされた様子で、第1投目の172mが目立ったのみであった。

ところで、普通種目団体戦は、私が日頃練習を共にしている備後協会チームが優勝。
途中経過では苦戦との情報であったが、終わってみれば2001年以来6年ぶりの団体優勝。
個人戦でも第1種目から第4種目すべてで表彰台に上がる健闘で、1994年,1995年と団体戦連覇した
当時の勢いが復活したようだ。

選手四名のここまでの苦労を多少なりとも知っているだけに、所属協会は違うもののこの結果は嬉しい
限りだ。


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