’071012

Report #052  2007年中四九親善キャスティング大会レポート

異常な暑さが続いた夏も終わり、ようやく涼さが訪れた9月30日、東広島市河内町広島空港流通団地
にて、2007年キャスティング大会後半戦第一幕となる中四九親善キャスティング大会が開催された。

この大会は10月14日の全日本SC選手権の前哨戦ともいえるため、夏場の練習成果をチェックする
目的で各選手ともかなりの本気モードで照準を合わせてくる。

当日朝は生憎の雨となり競技の進行が心配されたが、開会式頃には雨も止み、時々小雨が降った
ものの全種目ともほとんど無風状態で競技を終えることができた。


1. ポイント種目

まず最初にポイント種目(10名参加)の競技が行われたが、私は前日から腰痛に悩まされており競技
観戦すらできない状態・・・(ポイント競技選手の皆様すみません)

クルマのシートを倒して腰を休め、計測当番が回ってくるまでに少しでも体調を整えておく。

後で結果を知った次第だが、広島協会・蔦協会長が3投合計:7.76m,最短:0.58mのブッチギリ優勝。

昨年の全日本SC選手権で旋風を巻き起こしたJr.キャスター;愛媛協会・渡部太一選手は残念ながら
3投合計:15.49mの8位に沈んでしまった。

また、昨年の同大会ポイント種目の覇者;香川協会・松井協会長も3投合計:21.63mと奮わず最下位に。

ポイント種目にも、向かい風を得意とし追い風や無風を苦手とする選手がいるのだろうか???

2. 第1種目,第3種目

2番目のセッションは第1種目と第3種目。

今大会には第1種目:5名,第3種目:6名が出場。


見所は第1種目では作田選手 vs. 吉川選手の御調山SC研究所同門対決。
そして、今年インランドキャスティングで世界大会チャンピオンに輝いた北九州協会・許田選手が、
ST種目から第1種目にコンバートしての大会参戦も興味深い。

結果、第1種目ではサンダウナー・Competition-U31号を巧みに曲げた作田選手が3投平均:146.52mを
投げ、吉川選手に圧勝。

世界チャンピオン・許田選手の投擲には注目が集まったが、140m台が第5投目の一本しか出ず、僅差で
広島協会・小田選手に次ぐ3位となった。


第1種目優勝:作田弘道選手(備後協会OFサーフ)

第3種目では北九州協会・小谷選手の華麗なロッドさばきに、御調山SC研究所・巻幡選手がどこまで
食らい付いていけるかが見所である。

結果的には小谷選手をもってしても140m台は一本しかなく、香川協会・青木選手と1m圏内での接戦と
なり、3投平均:138.14m対137.91m、その差たったの23cmで小谷選手の優勝となった。

一方で御調山SC研究所・巻幡選手は、小谷選手,青木選手から3〜4m落ちの飛距離で競技が続き、
3投平均:134.54mで3位となった。


第3種目優勝:小谷優次選手(北九州協会投好会)

3. 第2種目,第4種目,第5種目

続いて普通種目の力糸あり種目。(第2種目,第4種目,第5種目)
第2種目:3名,第4種目:6名,第5種目:10名の参加。

第2種目では、久々に広島協会・小島選手と御調山SC研究所・松本選手が対決!
第4種目はいつもの対戦になるが広島協会・香川選手と御調山SC研究所・林選手が対決!
第5種目は長身を活かして長竿を巧く曲げる愛媛協会・鎌倉選手と御調山SC研究所・石原選手、
そして広島協会の若手で急成長中の城選手に注目。

丁度私はこのセッションの前半にレーザー計測を担当したが、各種目の各選手とも大接戦を展開。
第2種目は小島選手,松本選手ともに第3投目までミスなく180〜188mを投げるが、セッション後半で
小島選手が191〜193mを連発して一気に逆転。
結果、3投平均:191.14mで小島選手が優勝、後半伸び悩んだ松本選手は3投平均:187.66mで準優勝
となった。


第2種目優勝:小島茂孝選手(広島協会広島サーフ)

第4種目はフォームをサイドスロー気味に修正し、やや低め弾道でコートセンターを捉えた香川選手
が競技前半に173〜179mを3本揃え、林選手との差を4〜6m確保。
競技後半には両選手とも飛距離を若干伸ばしたが、飛距離差は縮むことなく香川選手が3投平均:
178.08mで優勝、林選手は3投平均:172.71mで準優勝となった。


第4種目優勝:香川敏昭選手(広島協会えのみやサーフ)

第5種目-Aは鎌倉選手が180mオーバーを連発すれば、城選手が185mの種目最長で応戦。
鎌倉選手は終始安定した投擲で3投平均:180.66mを投げ中四九親善SC大会初優勝。
準優勝には第5投目で182.32mを投げた愛媛教会・木谷選手が入り、痛めた臂をかばいながら
174〜176mを揃えた石原選手は一歩及ばず、3投平均:175.09mで3位となった。
種目最長を記録した城選手は、残念ながら他投擲で奮わず3投平均:171.18mで4位となったが、
小柄な体から発生するシャープなスウィングが完成度を増せばさらに競争力は高まるものと
思われる。


第5種目-A優勝:鎌倉史将選手(愛媛協会三島サーフ)

なお、第5種目-Bには御調山SC研究所・近藤選手一人だけの出場。
近藤選手はもしかすると第5種目-A選手よりも飛ばす可能性を持っているのだが、意外と本番の
雰囲気に弱くこれまで華々しい記録・成績は残せていない。
今大会では第2投目でやや抜け気味のミスキャストをしたものの、他の投擲では右肩上がりに
飛距離を伸ばし、3投平均:172.91mと第5種目総合で4番手に入る健投をみせた。


第5種目-B優勝:近藤孝好選手(備後協会尾道磯釣りサーフ)

4. いよいよST-A種目

ここでようやく私の出場種目、ST-A種目の投擲が始まります。
御調山SC研究所からは山下選手と私の2名が参加。
投擲順は19人中の18番目が山下選手で、最後が私。もうしばらく待機だ。

今回も、5月の協会対抗戦チャンピオンロッド:BORONプロスカイヤーPROTOTYPEにトーナメント
サーフZ45U-Competitionをセット。
周囲からは「赤BORONじゃないの?」との声も聞かれるが、今はこちらがベストチョイスなのだ。

待機中はじっくりとストレッチをして、待ちに待った第1投目は慎重にキャストし、体に無理な力が
掛からないようパワーセーブする。

結果は173.11mと、完全無風のコンディションでの第1投目としては、一応納得の飛距離である。
続く第2投目もスウィング動作を開始したところまではパワーセーブしたが、ロッドにシンカーの
荷重を感じてからは思い切りロッドを振り切ってみた。

感覚的にはあとほんの一瞬だけロッドをプッシュすればパーフェクトキャストだったのだが、ほんの
少しリリースが早かったようだ。
飛距離は176.14mと3mUPを果たしたものの、上手くいけば180mに届いたかも知れないだけに少し
残念。

第3投目に入ると、競合選手の飛距離も気になるところ。

ST種目では確実な上位入賞実績を持ち、昨年の中四九親善SC大会・ST種目の覇者:北九州協会・
小関選手は、第1投目と第2投目をミスしているが第3投目に177.38mをマーク。
さらに第4投目で179.29mの種目最長を投げて優勝に大手をかけた。

一方で私の第3投目はロッドにシンカー荷重を乗せる際の感触に違和感を感じた。
そのせいかコート左一杯まで弾道を押さえ込んでしまい、完全にミスキャスト。
飛距離も171.21mに落ち込んでしまった。

そこで、第4投目からはロッドをBORONプロスカイヤーPROTOTYPE(黒BORON)から
BORONプロスカイヤー競技スペシャル(赤BORON)に変更。

練習投擲でも弾道高度に乱れのない赤BORONでサードスコアの更新を狙ったのだが、結果的には
力みが入ってしまい第4投目を引掛けて失投。
最後の投擲は無難に173m付近を狙ったものの、この頃吹き始めた向かい風に押されて169.91mと
やや不満な飛距離に終わってしまった。
これで3投平均:173.49mが確定。

先に第5投目を終えた小関選手の3投平均が174.53mに確定していたため、小関選手の中四九親善
キャスティング大会・ST種目2連勝が決定。
私は中四九親善キャスティング大会3年連続準優勝となった。

一方で御調山SC研究所・山下選手は、一時のファールスランプからは脱出した様子で153〜158m台
を辛うじて3本揃えることに成功。
5月の協会対抗戦ではストレートの5Fを喫したのだが、少し光明を見出せた様子。
結果、3投平均:156.39mをマークし5位入賞。
第3投目のファールは周囲を爆笑の渦に巻き込む珍場面であったが・・・入賞できて何よりである。

この他、広島協会・福岡選手は春の通信大会以降練習でも徐々に飛距離が伸びており、今大会
後半のセッションでは170〜174mの好飛距離を連発。
3投平均:169.68mで自身初の中四九親善キャスティング大会3位入賞を果たした。

また、4位には飛距離とコントロールには安定感が高い広島協会・友田選手が入った。


ST-A種目優勝:小関典久選手(北九州協会投好会)


ST-A種目準優勝:真鍋達也(兵庫協会神戸中央サーフ)

5. ST-B種目

最後のセッションはST-B種目。

優勝候補はいずれも北九州協会の中島選手,中村選手,斎藤選手の3名。
さらに、磯部選手,浜松選手の広島協会勢も上位入賞経験豊富で激戦が予想される。

競技前半は中島選手,斎藤選手,浜松選手の3名が159〜161mの飛距離を2本揃えたが、中でも
第2投目に166.47mをマークした中島選手が優位に立つ。

一方で第1投目と第2投目にファールを連発してしまった中村選手と、160mに絡む飛距離が1本しか
出ていない磯部選手がやや出遅れた感じ。

最後の第5投目で中島選手が171.10mの種目最長を投げてとどめを刺し、3投平均:165.58mで
ダントツ優勝が確定したが、競技後半に157〜160m台の飛距離を揃えて挽回した磯部選手が3投
平均:159.85mに確定し、3投平均が158m台となった浜松選手(第3位),斎藤選手(第4位)を抑えて
の準優勝となった。

中村選手も、競技後半でロッドを赤BORONから青BORONに切り替え154〜157m台を3本揃えたが
一歩及ばず。
第5位で競技を終えた。


ST-B種目優勝:中島康彦選手(北九州協会福岡サーフ)

6. むすび

最後になりましたが、今大会に先立ち草刈りやコート設営などご尽力くださいました関係者の皆様には、
心よりお礼申し上げます