’070309日

Report #049  2007年広島・備後合同冬季SC育成会&記録会レポート

2007年キャスティングイベントが各地で開幕しているが、こちら広島地区でも今年最初のSCイベント
として、2月25日(日)に広島協会・備後協会合同でのSC育成会&記録会が、東広島市河内町
広島空港流通工業団地にて開催された。

SC育成会というと他協会ではあまり聞き慣れないイベント名称ではないか?と思うが、広島協会では
SC競技の経験が少ない会員さんや日頃実釣メインの会員さんに
、釣り物の少ないこの季節にこそ
投げる技術のレベルアップと会員間の親睦を目的として「SC育成会」を開催している。

もちろん、日頃からキャスティング競技を熱心に取組まれている会員さんも、更なる飛距離アップを
目指しての参加や、キャスティングコートで飛距離計測することで冬場の投げ込み成果のチェックを
目的に、毎回大勢の参加がある。

そして、日頃より交流の深い備後協会と兵庫協会広島支部にもイベントへのご案内を頂き、さらに
今回はお隣岡山協会からもご参加があり、総勢20人程によるSC育成会と参加者25人による記録会
が並行して開催された。

1. 普通種目記録会・・・いつもの向かい風にて

当日朝の最低気温は氷点下2度!
とにかく寒く、北北東から東南東方向から強い風が吹き付けている。
広島空港流通工業団地というと、全日本SC選手権大会などのビッグイベントを開催する会場だけに、
キャスティングコートは常時2面設けることが可能である。

他地域の協会,団体のSCマンからみれば何とも贅沢な環境である。

その贅沢環境の利点を活かし、Aコートでは本番コートにレーザー計測,ビーパーを付けたシンカー
で5投勝負の記録会を開催。
一方Bコートでは
飛距離が概略わかるようパイロンを並べた仮設コートにて、フリースタイルでの
合同練習会(育成会)が開催された。

記録会参加者は、普通種目:15人,ST種目:10人の合計25人。
まずは普通種目から開始するが、吹き付ける向かい風になかなか好記録が出ない。
各選手とも苦戦を強いられる。

特に風速が強まった4,5投目には会心の1投でも飛距離は平凡な値となり
、前半戦コールドスタート
時のライバル選手とのギャップを埋め合わせ出来なかった選手の姿もちらほら。

1種目は広島協会小田選手が「SC育成会」のコーチに専念した他、下戸選手も育成会参加のため、
小田選手vs.吉川選手,下戸選手vs.作田選手の「いつもの対戦」は見られず。

競技は予想通りに松本選手が独走態勢で、向かい風のコンディションのため150mオーバーは一本
しか出なかったが、4投が145m以上の飛距離に揃い3投平均:148.42mとまずまずの仕上がり。
松本選手自身は150mオーバーで揃えたかったようだが・・・


1種目:松本選手の投擲

3種目:薬師寺選手vs.応谷選手のデッドヒートでは、1投ごとに最長飛距離が更新される中、
応谷選手が3投目に「140m宣言」したもののミスキャストでファールとなり緊張の糸が切れた模様。

結果、薬師寺選手が5投目にサードスコア更新の134.76mで止めを刺し、3投平均:136.17mで
応谷選手に約2mの差を付け逃げ切った。


3種目:薬師寺選手の投擲

また、4種目:林選手vs.香川選手の対戦では、1,2投目の飛距離から後半戦も168〜170mでの
バトルになるものと予想されたが、徐々に強風コンディションとなり3〜5投目の飛距離は160m以下
までダウン。

結果、1投目に170mオーバーをマークした林選手が3投平均:165.31mで香川選手を抑えた。


4種目:林選手の投擲


岡山協会からご参加〜4種目:水口選手の投擲

5種目では、5種目-A:石原選手vs.5種目-B:近藤選手が御調山同門対決。
昨年の中四九親善SC,全日本SC選手権と「3F」が続いた近藤選手が冷静クレバーキャスティング
に徹する反面、石原選手は寒さのせいか肩腰足の動きに滑らかさがなく引掛け気味の投擲が
目立った。

結果、166〜167m台を3本揃えた近藤選手が3投平均:166.95mと向かい風コンディションとしては
まずまずの仕上がりをみせた一方、石原選手は飛距離が大きくバラついてしまい3投平均:163.00m
と冬場の投げ込みの成果が現れないまま競技を終えた。


5種目-B:近藤選手の投擲

2. ST種目記録会・・・かなりの強風

天気予報通りに、午前10時を過ぎると風はますます強くなった。

感覚的には昨年の
全日本SC選手権5投目と同じようなコンディションではないか?
当日は自己採点100点満点の166m飛んだものだが・・・

今回も昨年の全日本SC選手権チャンピオンタックル;BORONプロスカイヤー40-425Prototypeに
トーナメントサーフZ45U-Competition(with 6度スプール)の組み合わせで競技開始。

1投目はラインキープする人差し指の感覚がマヒしたようで、左へ引掛けてしまった。
前日の調整では夏用フィンガープロテクターでラインテンションが感じ易く飛距離も安定したのだが、
ここまで冷え込むと状況が変わるようだ。

2投目からは冬用プロテクターに替えて投擲したが、今度はリリースタイミングが微妙に早過ぎた。
しかも3投目も同じ症状が出てしまい飛距離は154.67mが精一杯・・・

どうやらロッドの返り速度と体のキレにギャップがあるようで、体のキレが先行しているこの状態では
好記録が望めない。
そこでタックルをBORONプロスカイヤー競技スペシャル40-420&トーナメントサーフZ45Cに変更。
ロッドの返りが早くなるため、2,3投目のタイミングでラインリリースすれば真直ぐ飛ぶハズだ。

タックル変更した4投目は、体に基本動作を覚えさせるために少しパワーセーブしなくてはならない。
それでも自己ベストの155.83mを投げた上に、弾道,初速度ともに文句なしのキャスティングだった
ので、引き続き5投目も競技スペシャルで投げる。

コンディション的にはますます風が強くなっているが、最終投擲では160m以上絶対に欲しいところ。
「力みを抜く」ことに意識を集中し、シンカー荷重のノリを感じてから一気にパワーを全開にした。

リリースしたシンカーは最高の弾道,初速度でテイクオフ!
「これはイッタ〜!」と思ったら少し甘かった。
スプールに巻いたラインが残りわずかとなり、結びコブに引掛り始めて・・・失速。
計測結果は166.62mと嬉しい数字であったが、ラインの引掛りさえなければ・・・と後悔が残る。

3投平均は159.04mとやや奮わず、160mオーバーを揃えることができなかった。

こうして2007年最初の競技を終えたが、ロッドチョイスひとつで10m以上の飛距離差が出るのは調子
が良いのか悪いのか?
自分でもよく分からなくなってしまった・・・

なお、ST種目2番手の広島協会・友田選手は、コートど真ん中を打ち抜く好弾道を連発し、
3投平均:153.25m,最長:155.28mと向かい風コンディションとしてはかなりの好飛距離をマークした。


ST-A種目:真鍋の投擲


ST-A種目:友田選手の投擲

ST種目Movie

3. 競技終了後のお楽しみ・・・

Aコートでの記録会を終えると、参加者全員でBコートへ移動。
こちらでは、ちょうどお昼時とあってモツ鍋に焼きそばなど広島協会のシェフの方々が腕を奮い、昼食
懇談会の真っ最中。

のハズが、行ってみると既にモツ鍋は完食!
それでは、と御調山から高級?霜降り和牛の焼肉を出店。


呉サーフのシェフ特製焼きそば出来上がり!


BコートでのSC育成会

すっかり満腹になると、各人A,Bコートにそれぞれ分かれて練習会を再開。

私も記録会で疑問点だったロッドチョイスによる飛距離の差異を、BORON-PrototypeとBORON競技SP
との投げ比べ検証を行うことでスッキリさせて一日を締めくくった。