'08年04月11日
Report #056  兵庫協会春季SC通信大会 ST種目熱投記


2008年キャスティングも第2戦。
初戦をストレートの3Fで終えて以降の3週間はミッチリと練習を重ね、70%以上の確率で
フェアゾーンを捉えるところまでコントロール性を回復させることができた。

大会前日29日の練習ではほとんどトラブルがなく、飛距離も十分に満足できるレベルまで
回復した。
あとは大会本番の緊張感の中で自分の力を出し切ることができれば、いよいよ1ヶ月半後
に控えた協会対抗戦に向けても大いに自信が付くだろう。

昨年夏から続くスランプ状態からの脱却には、まず自信を取り戻すことが重要と考え、
今大会ではいつもより慎重に投擲動作のひとつひとつをチェックし、自信を取り戻すため
のポイントを押さえることに注力した。

結果的には自分自身納得の飛距離が3本揃い、残り2本はあと少し飛距離を伸ばす方策
を試したが、こちらは失敗してファールとなってしまった。
結局「力み」が排除できれば自信回復に繋がる投擲ができ、一方「力み」が入れば飛距離
を伸ばすどころかフェアゾーンを捕らえることができなくなる、という結論にたどり着いた一日
であった。

1. まずは第1投目

天候は生憎の雨。
幸いロッドのグリップやリールに巻いたラインが水分を含み、投擲を困難にするほどの雨量
ではないが、飛行中のシンカーにとっては大きな抵抗になっているに違いない。

経験的に小雨の場合で2〜3m,少し雨量が増すと3〜5mの飛距離ダウンにつながること
から、なるべく雨が本降りになる前に競技を終えたいところだが・・・

そんな状況で迎えた第1投目は、コートセンターを捉えることだけに神経を集中した。
投擲エリアに入ると全身をリラックスさせ、投擲動作を開始した後シンカー荷重が利き腕
にズシリと感じられたところからロッドを一気に40度上方へ突き上げてフィニッシュ!

前戦:関西オープンキャスティング大会でまさかのストレート3Fをしてしまった後だけに、
胸の奥で「ファールしたらどうしよう・・・」という不安がモヤモヤしていたが、今回は第1投目
を正確に振り抜けため晴れ晴れとした気分でテイクオフしたシンカーを見送った。

コートセンターを上昇したシンカーはコート左側からの風によって流され、右サイドライン
ギリギリに着弾した。
ファールエリアまであと3mほどしかマージンは残っていない模様。

計測結果は185.41m。
コンディション的には190m超での争いが予想されるが、第1投目としては上出来だろう。

一方で私の次に投擲の磯野選手が楽々と192.82mを投げ、早くも190m超一番乗り。
さすがに彼の怪力パワーには太刀打ちできない。
GFXプロスカイヤー45号がアメのように曲がっている・・・

磯野選手の投擲

また、川端選手:185.03m,船曳選手:183.80mと、ST種目団体戦優勝チーム;西宮天狗
クラブの各選手も好飛距離を出し、今大会のST種目も昨年に続き激戦区となった。

2. 第2投目〜第3投目

第2投目のセッションでは、村田選手(神戸投翔会)が今大会二人目の190m超となる
192.10mをマーク。
各選手とも自然と力が入る。

私もついつい力みが入り易い方なので、力みが入らないよう投擲エリアに入ってから
動作を開始するまでの間合いをいつもより長めに取ってみた。

結果的には、いつもより数秒間長くロッドを構えて呼吸を整えたために、ラインキープ
した右手人差し指を強く握り込んでしまい、フィニッシュで自然なラインリリースができず
大引掛けのミスキャストをしてしまった。

シンカー着地点はコートのフェアゾーン内に納まっていたようだが、飛距離は明らかに
期待した値ではないため、ここは潔くファールを自己申告。

続く第3投目では先のミスキャストの反省から、投擲エリアに入ってから動作を開始する
までの間合いは練習通り;長過ぎず短過ぎずといったところでモーションを開始した。

その結果、スウィング動作を開始してすぐに利き腕にシンカー荷重が明確に感じられて、
フィニッシュでは第1投目のときよりも力強く突き出すことができた。

真鍋の投擲


計測の結果は、風が徐々に強さを増しているものの第1投目より1.4mアップの186.84m。
狙い通りの投擲ができた。
あと一本これらと同等の飛距離が出せれば今日は「合格」だろう。

一方、第1投目,第2投目とファールが続いた関西オープンキャスティング大会ST種目
覇者;坪田選手(西宮天狗クラブ)も第3投目に184.37mをマークし、今大会ST種目で
180m超の飛距離をマークした選手は6人目となった。

3. 第4投目

競技後半は横風と雨脚が強まり、飛距離アップが厳しい状況になってきた。

村田選手が第4投目に187.13mを投げて3本目のフェアとなり、暫定トップに。

続いて投擲の私も185m級を投げて3本目のフェアを取りたいところ。
焦らず落ち着いて、第3投目と同じリズムでスウィング動作に入った。
シンカー荷重のノリも十分で、フィニッシュの押し込みも完璧にキメた。
印象的には第3投目と全く同一の振りで「今日イチ」が2本続いた。

計測結果を楽しみに待ったが、横風と雨のせいか?期待値より5m落ちの181.62m
だった。
何はともあれ、3本目のフェアとなり暫定2番に。

続く磯野選手は、ファールとライントラブルで第2,第3投目を落としたが、第4投目に
184.54mを投げて粘りを見せた。
かつての磯野選手は、見事な一発飛距離はあるがド派手なファールも目立ち、3本の
フェアを揃えることが少なかったのだが、昨年からかなり練習をしているらしく特に正確さ
の面で急成長している。

西宮天狗クラブ勢も、船曳選手:186.10m,川端選手:185.16m,坪田選手:174.60mと、
各選手2〜3本目のフェアゾーンを捉えており、2位以下勝負の行方は最終第5投目で
決まることになった。

川端選手の投擲

4. 第5投目

ここまでですでに3本以上のフェアを出している選手は比較的気楽に投げることができる
のだが、第4投目までに2Fまたは1F+ミスキャストで飛距離ロスしている選手にとっては
かなりプレッシャーがかかる。

しかも、第一投擲者の村田選手が193.84mの種目最長を投げ、ブッチギリ優勝をほぼ
間違いないものにしたことで、またしても各選手に緊張が走ったようだ。

村田選手の投擲

私も、どうしてももう一本185m級の飛距離が欲しくて、投擲エリアに入ってからスウィング
動作を開始するまでの間合いを少し短めに変更してみた。

第2投目に間合いが長くて失敗したために短くした訳だが、結果的には投げ急ぎによる
シャクリが入ってしまい痛恨の抜け弾を打ち上げてしまった。
敢え無くファールとなり、サードスコア更新はできなかった。

そして、第1投目に190mオーバーを投げながらサードスコアが130m台と苦戦していた
磯野選手は、第5投目は無難に176.98mを投げた。
ライントラブルか何か、ちょっとしたアクシデントを起こしていたようだが、サードスコアの
更新には成功。

同じくサードスコアが160m台と苦戦中の川端選手も第5投目に180.72mを投げ、磯野選手,
川端選手,私の三人は3投平均順位が大混戦、結果は集計待ちとなった。

一方、180m台の飛距離を出しながらここまで2Fで粘っていた坪田選手と船曳選手が、
第5投目に痛恨のファールで3Fが決定!
しかもサイドラインギリギリでのファールはかなり悔しい結果となった。

結果、村田選手が3投平均:191.02mで圧勝し、以下磯野選手が3投平均:184.78mで
準優勝,私が184.62mで第3位,川端選手が183.64mで第4位と、近年稀に見る大接戦
となった。

5. その他種目ハイライト

この他神戸中央サーフからは、ポイント種目に茶谷選手,吉川選手,西岡選手が、女性
種目に磯野和子選手が出場。

ポイント種目では吹き付ける風に苦戦を強いられた様子で、目標旗に2m台まで接近する
のが精一杯とのこと。

結果、能登島の座布団ガレイに鍛えられた西岡選手が3投合計:12.10mで準優勝,種目
最短記録に5cmまで肉迫した茶谷選手が3投合計:15.74mで第3位,4m台を2本揃えた
もののそれ以上目標旗に接近できなかった吉川選手は3投合計:15.92mで第4位となった。

一方、女性種目:磯野和子選手はご主人;磯野渉選手とともに猛練習に励んだとのことで、
以前よりも力強いスウィングから3投平均:128.95m,最長:134.19mの暫定協会記録を
樹立し競技を終えた。

磯野和子選手の投擲

3月下旬にしては寒気がする冷たい雨の中での成績であることから、好天の下であれば
あと4〜5mは飛距離が出ていたことだろう。

次回の大会では更なる記録更新を目指して頑張って欲しいものだ。