'08年03月20日
Report #055  第1回 関西オープンキャスティング大会参戦記


いよいよ2008年キャスティングシーズンが開幕。
今シーズンオフの投げ込み成果を確認しつつ、今年一年の健投を祈願する意味でも開幕
第1戦というのは、かなり気合が入るものである。

しかも、関西圏で初開催となるオープン大会となればなおさら。
昨年の夏から続くスランプ状態に終止符を打ち、気持ちよい投擲で新しいシーズンを迎え
たいと、希望を抱いての参戦となった。

御調山SC研究所からは、第1種目:松本選手,河本選手,第2種目:樺沢選手,第4種目:
香川選手,三戸選手,第5種目-A:城選手,第5種目-B:近藤選手,ST-B種目:平田選手,
ST-A種目:私・真鍋の9名で参戦した。

1. ST種目

コート設営に続く開会式が終わると、まずはST種目から競技開始。
コンディションはそよそよと左からの横風。
通常であればそれ程気にならないのだが、当日私には若干の焦りが。

というのも、昨年末からミッチリ投げ込みを重ねてきたニューロッド:
サンダウナーコンペティションU40-425が、前日の練習で抜け弾を連発してしまい、投擲
信頼性に赤信号が点灯。

そこで、前日の練習でも上々の仕上がりだったボロンプロスカイヤー・プロトにロッドを持ち
替えて、第1投目は力まないようパワーセーブしながらゆったりと投擲に入ったつもりだった。

ところが・・・
リリース直後にテーパーラインがスプールから吹き出してライン切れのファール。
弾道はコート正面を捉えていたので、フォームやタイミングによるトラブルではない模様。
恐らく何かの拍子にスプールに巻き取ったラインのテンションが緩んでしまったのだろう。

テーパーラインを結び直して、第2投目へと向かった。

続く第2投目。
先の投擲時と同じように、ややパワーセーブしてロッドを振り抜いたつもりだった。
しかし、フィニッシュまでしっかりラインキープが出来ず、前日練習と同じ抜け弾を打ち上げて
しまった。

もうあとがない。

普段めったなことでは2Fまで追い込まれないので、たまに2Fになってしまうとかなりヤバい。
一気に自信を喪失してしまい、冷静に投げることができなくなってしまうようだ。
こうなると頭で考えるよりも先に体が固まってしまい、気が付くと第3投目は右サイドライン
よりほんの少しだけフェアゾーン寄り、抜けてはいないのだが風向きを考えるとかなり微妙な
弾道でシンカーを打ち上げてしまっていた。

真鍋の投擲

左からの風は勢いを増しており、みるみる弾道が右へ逸れて行き・・・
副審が赤旗を掲げて、私の2008年開幕第1戦が終わってしまった。


ところで、競技の方は第1投目からかなり見応えのある展開だった。
2007年協会対抗戦ST種目団体優勝&準優勝メンバーである西宮天狗クラブの川端泰三選手,
坪田選手,徳田選手,船曳選手が、今大会でも素晴らしい熱投を披露。

船曳選手の184.24mビッグアーチを筆頭に坪田選手:172.19〜175.36m,徳田選手:169.73〜
173.42mと、横風が吹く中各選手好記録を次々とマーク。

一方で165.18〜167.18mとやや出遅れた川端選手であったが、
「絶対170mオーバー出したる!」と気迫の篭った最後の一投で178.31mをマーク。

川端選手の投擲

残念ながら船曳選手が3F失格となってしまったことから、川端選手のこの一投が種目最長と
なったが、3投平均では堅実に飛距離を揃えた坪田選手リードを守り初優勝。

坪田選手の投擲


最後の投擲で逆転のチャンスがあった徳田選手だが、フィニッシュで何とリールが落下する
ハプニングにより逆転ならず準優勝に。

徳田選手の投擲

最後の一投まで諦めずに猛追した川端選手が3位となった。


また並行して行われたST-B種目では、持ち前の安定した弾道コントロール性を見事に発揮
した平田選手が3投平均:161.26mで優勝。
広島からの遠征隊では最初の金メダル獲得となった。

平田選手の投擲

2. 第1種目,第2種目,第3種目,女性種目

第二セッションは第1種目と第2種目,第3種目,女性種目の投擲。
私はレーザー計測担当で一等席から競技を観戦。

御調山遠征隊では第1種目:松本選手,河本選手,第2種目:樺沢選手が参戦。

松本選手は、前日の練習でタイミングが合わず、ABUのブレーキ調整を仕上げることができ
なかったのだが、大会本番で調子が上向くのはいつものこと。
今回も1投目からキレイにスウィングが決まり、他選手を全く寄せ付けない好投を連発。

松本選手の投擲

振り子を後ろに回してから寸分の乱れもなく旋回するシンカーは、節のない加速で絶妙な
上昇角でテイクオフ!
ABUの回転音も前日とは打って変わって澄んだ音色を奏でて、第2投目には種目最長となる
151.07mをマークし、3投平均:150.15mで2008年シーズンを好発進!
御調山遠征隊に2個目の金メダルをもたらした。

一方ST種目から第1種目にコンバートチャレンジ中の河本選手は、第1投目のみタイミングが
取れずに失投したが、第2投目から3本連続でフェアゾーンを捉える頑張りをみせた。

河本選手の投擲

しかし!
実は第3投目と第4投目はファールラインの100mを超えることが出来ずに『F』に。
第5投目の準備を整えコートに入ったところで、『3F失格』の通告を受けることになった・・・


第2種目は参加者二名と一時に比べて競技人口が現象傾向か?
第5種目からコンバートした樺沢選手がトップ選手にどこまで食らい付いて行けるか、冬場の
投げ込み成果に御調山遠征隊一同注目したが、振り子からバックスウィングの間でシンカー
軌道に安定感がなく、リリース弾道もやや低めに集まってしまった。

樺沢選手の投擲

それでも2本ファールをしながら第5投目で自己最長:159.78mをマークし、3投平均:154.81m
で2008年シーズンスタートとなった。

5月の協会対抗戦に向けて、また山篭りの週末が続くことだろう。

3. 第5種目

第三セッションは参加選手最多の第5種目。
第5種目-A:10名,同-B:4名の計14名が参加。

御調山遠征隊では、城選手と近藤選手が揃って初めての遠征試合に臨んだ。

城選手はホームコート:河内山で180mオーバーの聖域にも手が届くところまでポテンシャル
アップしており、今大会でも180mオーバーを目標に参戦!

近藤選手はホームコート:御調山では170mオーバーを連発するところまでポテンシャルアップ
したのだが、これまで大会本番では緊張のためか飛距離が伸び悩み・・・
今回は5種目-Bのトップクラス選手にどこまで食らい付けるか、腕試し,肝試しの遠征参戦と
なった。

第5種目-Aの城選手は第1投目を無難に投げ終え172.59m。
参加選手10名中丁度中間的な5番手飛距離でスタート。
風コンディションが徐々に悪くなる中、着実に5番手の飛距離をキープ。

城選手の投擲

生憎の横風に目標の180mオーバーは不発で終わったが、ノーミスで5投を投げ切り3投平均:
175.12mの記録で5位入賞を果たした。


一方、第5種目-Bの近藤選手は、ホームコートなら160m〜165mの飛距離を揃えるであろう
コンディションなのだが、緊張のせいかスウィング動作にキレがない・・・

近藤選手の投擲

幸いシンカーを加速する区間ではスウィングに乱れもなく、リリースタイミングが安定している
ために、抜け弾や引っ掛け弾によるファールをすることもなく154〜157m台の飛距離を3本揃え
ることができた。

結果、同種目優勝選手からは約10m落ちながら3投平均:155.46mの記録で準優勝となった。
この結果をすぐさま地元の御調山SC研究所メンバーに電話報告したところをみると、近藤選手
自身納得の結果だったようだ。

4. 第4種目,第6種目

最後に、第4種目と第6種目が行われた。
ようやく出番を迎えた第4種目の香川選手と三戸選手であるが、待ちくたびれたというよりも
むしろ集中力が一層増した感じで競技を開始。

香川選手は、競合選手達がなかなか170mラインを超えることができない状況の中、第1投目:
170.54m,第2投目:169.77mと好発進。

香川選手の投擲

この後風コンディションが悪化し、競合選手の記録が160m台前半に集まる混戦となったが、
序盤のリードを失うことなく第4投目:165.09m,第5投目:164.55mをマークし、3投平均:168.47m
で2位以下を1.5m以上引き離すブッチ切り優勝を果たした。

一方三戸選手は、第1投目の投擲でロッド:煌プロスカイヤーPCの反発挙動に若干の不満を
感じた模様で、第2投目以降はロッドをサンダウナーコンペティションUに変更。

三戸選手の投擲

第2投目と第3投目で161m台の飛距離を連発したものの、コンディションが悪化した競技後半は
中位グループの155m台混戦に埋もれてしまい、表彰台争いに加わることができなかった。

結果、中位グループの混戦は制したものの、3投平均:159.77mで第5位での入賞となった。

5. むすび

今大会では、9名の広島遠征隊から3名が優勝し、準優勝2名,5位入賞2名と、広島SC選手団の
レベルの高さが実証されたのが大きな収穫だった。

ところが・・・

私自身はというと、今大会では2006年4月の兵庫協会春季SC通信大会以来、約2年ぶりの3F
失格という結果により、冬のシーズンオフの投げ込み成果を数字で示すことができず、悔いが
残ってしまった。

ここ2ヶ月ほどはニューロッド:サンダウナーコンペティションUへの変更や、ニューロッドに適した
投擲フォームへの修正に取り組んできたのだが、現時点では仕上がりが中途半端な状態であり、
このような不本意な結果となってしまった。

今後3月から4月には、広島協会,兵庫協会,備後協会の各春季SC大会で実戦投擲の機会を
控えており、中でも3月30日の兵庫協会春季SC通信大会では悔いのない結果が残せるよう
調子を戻したいところだ。

またホームコートでじっくり練習を重ねて、春季SC通信大会から5月の全日本SC協会対抗戦へ
と右肩上がりに調子が上向くように頑張りたい。


最後になりましたが、今大会を開催プロジェクト下さいましたレインボーキャスターズの皆様、
兵庫協会SC事務局の皆様に、この場をお借りしてお礼申し上げます。

また来年以降も、オープン大会の開催を楽しみにしております。