'10年03月23日
Report #075 第3回関西オープンキャスティング選手権・ST種目レポート


2010年キャスティングシーズンも、恒例となった『関西オープンキャスティング選手権』で開幕。
第2回大会までの兵庫県淡路市から今回は岡山県赤磐市に会場が変わり、中四国・九州地区
からの大会参加が随分と楽になった

備後協会,広島協会からは、第1種目:松本選手,吉川選手,作田選手,河本選手、第2種目:
樺沢選手、第3種目:渡辺選手、第4種目:林選手,香川選手、第5種目-A:石原選手,城選手、
第5種目-B:近藤選手、ST-B種目:平田選手とST-A種目に私の総勢13名で参戦。

私の出場するST種目は、広島,北九州,香川協会で取り組まれている選手方が特に多いので、
大会会場が岡山県に変ったことでST種目参加者が例年より増えて楽しめるのでは?と期待
したのだが、エントリーはST-A:2名,ST-B:6名の合わせてたったの8名。

またまたちょっと寂しい開幕戦となってしまった。

それでも、自身の冬季練習の成果をチェックする貴重な機会である。
しかも、一昨年の第1回関西オープンキャスティング選手権でストレート3Fという不名誉なスタート
を切っている上に、昨年の最終戦:全日本SC選手権でもストレート3Fという大失態をしてしまった
後だったので、この大会でリベンジを果たすべく冬季の練習ではコントロール性の回復に注力
して大会に臨んだ。

今大会のタックルチョイスは、当然のことながら昨年の全日本SC選手権で3Fしてしまった
リョービ・BORONプロスカイヤーPrototypeにダイワ・トーナメントサーフZ45UCompetitionの
組み合わせ。

毎年春のシーズン開幕直前にはタックルチョイスに迷ったり投げ込み過剰で体のキレがなく
なったりと自信喪失状態になることが多いのだが、今シーズンは『やられたらやり返す』的に
早い段階でタックルチョイスが完了していたのでこの仕様を中心に適度な投げ込みに控えて
いたこともあり調子は上々、「満を持して」の参戦となった。

1. 第1投目〜第2投目

風は右斜め前から約1m/s。
練習通りに投げれば、170〜172mが射程圏であり今大会の目標飛距離になるだろうか。

第1投目はシンカーまでのタラシ調整をやや長め取り、コートセンターを捕らえることに意識を
集中して投擲に入った。

ところが…
リリース直後のラインが第4ガイドにガッチリ巻き付いてしまい失速。
いきなり新品ラインを潰してしまった。
第3投目までこのラインを使う予定だったのだが、早々と予備スプールに交換。

どうやらスウィング動作に入った一瞬にラインが緩んでしまったようだ。
第2投目からはその点に注意しなければ。

続く第2投目、スウィング動作を慎重に開始し、ロッドを振り抜く直前にパワーを掛ける。
リリース弾道は右サイドラインギリギリであるが、右前方からの風に流されてシンカー着弾点は
コート右半分辺りを捉えることができた。



飛距離計測結果は、期待値にロッド1本分足りない167.74m。

まだ3投残っているのでそこで十分挽回できるだろう、とこの時は思ったのだが…

2. 第3投目〜第4投目

第3投目以降も風に変化はなかったので、タラシ長さやセットポジションは第2投目と同じで、
コート右側半分から右サイドライン一杯を高めに狙って投擲した。

ところが。
第3投目はスウィング動作を開始してもシンカー荷重がロッドに乗ってくるタイミングが微妙に
遅れて、やや押さえ込んだ低め弾道となってしまった。

弾道が低かったこともあり、飛距離計測結果は155.48m。
ちょっとありえない数値に、しばし呆然。

いつの間にかフォームが崩れてしまい、またしても前に突っ込む悪い癖がでているのか?
さらにスウィング動作の最初の一瞬にラインが緩んでしまい、リリース直後のラインがガイド
に巻き付いているようだ。

続く第4投目は一度頭の中をリセットし、落ち着いて投げることに専念した。
今までの経験でも、目標飛距離に届いていないときには自分で自分にプレッシャーを掛けて
しまい、結果的に力みやシャクリ,前への突っ込みが出てしまうことがよくある。

ここは欲張らずに、目標飛距離を第2投目に記録した167mラインに落として投擲に入る。
結果的には落ち着いて投げたことでトラブルがなくなり、飛距離はようやく今大会の目標値で
ある170mラインをクリア。
171.40mの計測結果に、ホッと胸をなでおろした。



3. 第5投目

こうして迎えた最後の一投。
165m以上で満足するからお願い!と念じて投げたのだが、計測結果は何と156.78m。
またしてもありえない数値で愕然…

自分自身の投擲フィーリングは、振りもリリースもライン放出も、特に悪い点は感じなかった。
ロッドも曲がっていたし、ラインの放出にも特に問題は感じられなかった。
なのにどうして156m???

一体全体、この冬場の投げ込みは何だったのだろうか?
好調を維持して万を持しての参戦のはずが、完全にスランプ状態に逆戻りである。

恐らくリリース直後のテーパーライン区間だけが微妙にガイドに巻き付いているのだろう。
それで、本来揃うはずの飛距離レンジからガクンと10mほど飛距離が落ちてしまっている。

対策すべき点は、前に突っ込みがちのフォームを元に戻すことと、スプールに巻かれたライン
のヨレを解消することが重要か。

それと、投擲エリアの雑草にも攻略法を見つける必要があるだろう。

普段の練習場はきれいな山砂グラウンドであるが、今大会の会場は牧草地のように雑草が
密生しているのだが、スウィング動作を始めた一瞬にシンカーが雑草に掛かりバウンドする
ような雰囲気がある。

瞬間的にシンカーを加速するST種目では、シンカーがテイクオフする瞬間に引掛りがあると、
ライントラブルやシンカーの尻振りによる飛距離ダウンを生じ易い。

また、投擲エリアの雑草によりスパイクもガッチリ食い付くので、普段ほど腰がキレずに投擲
フォームが右方向に開く傾向も強くなる。

これらたくさんの現象,不具合,不慣れについて対策を行わなければ、スランプ脱出は程遠い
だろう。

そんな考察をしながら、第3回関西オープンキャスティング選手権を終えたのだった。
せめてもの救いは、参加者が少ないので辛うじて「ST-A種目優勝」と表彰を受けたことだが、
内心は「こんな成績では優勝に値しない!もっと努力せねば!!!」というのが本音だが…

4. その他広島遠征隊の結果

その他備後・広島からの遠征隊の戦績はというと…

第1種目では、松本選手が足を故障中ながら安定した投擲で3投平均:152.34mで6位に。

 松本選手の投擲

さらに腰痛再発で大会出場が危ぶまれた吉川選手が意地の投擲で3投平均:143.72mの8位に。



 吉川選手の投擲

いつも吉川選手とは抜きつ抜かれつの熱戦を繰り広げる作田選手は、第2投目のライン切れF
でパワーセーブしてしまったのか?3投平均:143.62mで9位に。

 作田選手の投擲

そして河本選手は、得意技のサプライズ?がまたしても最終投擲で出てしまい、クラッチ切り忘れ
のファールで撃沈3F…

 河本選手の投擲

ちょっと元気のない第1種目陣であった。

第2種目は、昨年の全日本選手権以来5ヶ月ぶりにキャスティングコートに入った樺沢選手だが、
徐々に感触を取り戻しつつ飛距離を伸ばして3投平均:185.66mで3位に。

 樺沢選手の投擲

第3種目の渡辺選手は、競技開始から136〜137m台の飛距離で好調に滑り出したが、後半戦
は133m台に伸び悩み3投平均:135.86mで7位に。

 渡辺選手の投擲

第4種目には香川選手と林選手が出場。
香川選手は、競技中にも笑みがもれる自信の投擲で179m台を2本揃えた後の最終投擲で渾身
の180mオーバーを投げて3投平均:179.96mで見事準優勝。

 香川選手の投擲

林選手は今シーズンから実戦投入のマスタライズキスがしっくりこなかったのか?170m台に
乗せることができない状態で最終投擲を迎えたが、ここでようやく176.28mのベストショットが出て
3投平均:171.15mの6位に。

 林選手の投擲

第5種目は[A]に城選手と石原選手,[B]に近藤選手が出場したが、各選手とも投擲エリアの雑草
でシンカーがバウンドすることに苦戦した模様。
第3投目に191.12mを投げた城選手であったが、スウィング動作の早い段階でロッドにシンカー
荷重が掛かるようで抜け気味弾道に集中してしまい3Fに。

 城選手の投擲

石原選手は、シンカーのバウンドによりラインが緩むせいか?リリースしたラインがバッサリ
噴出すトラブルに見舞われて敢え無く3F。

 石原選手の投擲

近藤選手だけがコツコツと飛距離を揃えての3投平均:168.88mで3位表彰台は、関西オープン
連続表彰台ゲットに賭ける執念と練習の賜物だろう。

 近藤選手の投擲

そして、ST種目では[B]に平田選手が出場。
投擲順が丁度私の正反対なので直接観戦できなかったのだが、やはり投擲エリアの雑草が
影響してか?いつも通りのタイミングで投擲できなかった模様。
引掛け気味の弾道になり、残念ながら3Fに。

 平田選手の投擲

備後協会・広島協会から総勢13名で臨んだ今大会だが、終わってみれば納得の飛距離が
出せた人、出せなかった人、それぞれ5月の協会対抗戦に照準を合わせ直してのリスタートする
ためのシーズン開幕戦として得ることの多い一日だったようだ。

5月の協会対抗戦で納得の投擲ができるよう、また皆で楽しみながら練習しましょう。