'10年08月24日
Report #079 第1回LWSCT中国四国大会レポート
2010年キャスティングシーズンも北海道キャスティング選手権で前半戦を終了し、ST種目専門
の私は9月の夏季SC通信大会までは束の間のオフ・シーズンとなります。
一方で、18gラバーシンカーで行われるライト・ウエイト・スポーツキャスティング・トーナメント
(LWSCT)は、キス釣りトーナメントが一通り終了した7月〜9月に各地で地区大会が開催され
ています。
そのLWSCT地区大会を広島で、と九州SCクラブの許田安信様と備後協会・林SC事務局長様
とのご尽力により、中国地方初開催となる第1回LWSCT中国四国大会が、2010年8月1日に
開催されました。
この大会には、遠路北九州地区から7名もの遠征隊の方々が駆け付けて下さり、関西地区,
岡山・備後地区からの参加者8名と合わせて総勢15名+飛び入り参加のちょろ2号が猛暑の
東広島市河内町・広島空港流通工業団地特設会場に集結しました。
1. 第1試合:備後大会
第1試合に先立って、九州SCクラブ・許田安信選手よりLWSCT競技レギュレーションの説明を
受けます。
競技レギュレーションの説明
特に普段ナマリ種目だけに参加している選手は、投擲エリアへの進入と投擲後の退出は主審
の指示があるまで勝手に行動しないこと!と説明がありました。
レギュレーションが理解できたところで競技を開始…と、ここで大会プロジェクトの林選手より
『ちょろ2号に始投式を!』とのコールが。
最近のちょろ2号は15号シンカーで投擲練習をしていますが、久しぶりの18gでしかも始投式…
マトモにコートに入るのかな?とちょっと不安になったのですが…
不安を感じながらカメラを構えて見守ると、無事にコートセンターを捉えてくれました。
しかも、練習場で15号シンカーを投げている時よりも飛距離が伸びていないかい?
チョロ2号による始投式!
計測の結果は、何と34.78m。
グラスファイバー製振り出しロッドに、テーパースプールや並行巻き機構を持たない30年程前
の小型スピニングリールの組み合わせ。
ラインは競技レギュレーションよりオーバースペックのナイロン3号ラインに力糸5号の
セッティングではなかなかの飛距離ではないか?と親バカながら感心してしまいました。
さて、いよいよ選手の皆さんの競技が始まりました。
たったの18g、されど18g。
シンカーはラバー製で軽いのですが、投擲のフィニッシュではどの選手もロッドが深く曲がって
おり「バシュッというカーボンの反発音と共にシンカーが弾き飛ばされていきます。
標準的な飛距離は何と100m前後。
私自身は、これまでに18gシンカーを何度か投げたことがあるのですが、いつも90mが精一杯。
実は今回の第1回LWSCT中四国大会参戦に備えての練習は全くしないままでしたから、当然
競技用のロッドチョイスやガイドセッティングも全くできていませんし、リールとのバランスも
チェックできておらず全てがぶっつけ本番投擲となりました。
取り敢えず用意したのは、リョービ・GFXプロスカイヤー30号-405にシマノ・スーパーエアロEV
の組み合わせ。
このロッドはキス,カレイ,アイナメなどの遠投実釣用に使っているので、ナイロン2〜3号で
30号シンカーを飛ばすための小径スピンダーとローライダー・バットガイドを組み合わせた
6点ガイド仕様となっています。
LWSCT専門の方々のガイドセッティングのトレンドは、バットガイドが50〜70mm径と第3種目と
ほぼ同じ仕様であり、誰一人としてローライダー系ガイドセッティングの選手はいないようです。
ちょっと無謀かな?とも思ったのですが、他に18gシンカーに適するスペックのロッドを持ち合わせ
ていないので、この実釣仕様のままでの参戦となりました。
そんなこんなで迎えたLWSCTの第1投目。
もちろんスウィングフォームの作り込みなんていうのも全くできていませんから、投げる動作は
いつもの練習場で拝見する林選手のフォームを真似てみるだけです。
理想的にはシンカーを肘より少し低い高さで水平にクルクルと『ヘリコプター』風に旋回させたい
のですが、なかなかイメージ通りの軌道で回ってくれません。
ギャラリーからは「わっ、スイング投法やってるの見るの初めて!(珍)」とか何とかいう声援?
も聞こえてきましたが、ここは『ヘリコプター』に神経を集中させます。
何とかイメージしたラインでシンカーが1周したところで体をコート正面に向き直り、思い切りロッド
を振り抜いてコート右サイドを狙うタイミングでラインをリリースしました。
このタイミングでリリースすると、18gシンカーはコートセンターを弾丸ライナーで飛行するはず…
すると、案の定シンカーはほぼコートセンターを捉えて低め弾道で飛んで行ってくれました!
真鍋:第1投目
第1投目にしては出来すぎかな?と満足しながら計測結果を待つと…
LWSCTのスペシャリスト選手には及びませんが、目標にしていた90mを大きく上回る94.87mの
コールに大満足。
ぶっつけ本番の18gキャスティングも何とかスウィングのコツとタイミングが掴めたので、続く
第2投目も同じスウィング動作とタイミングでシンカーを弾き飛ばしました。
ところが、18gシンカーではタイミングの微小なズレがそのままコントロール性に影響するのか、
弾道がコート左サイドまで引張り込まれて超低空飛行で着弾しました。
タラシの長さは何も考えずリールフット辺りに調整していましたが、少し長過ぎたのか?
スウィング動作に入ってからロッドにシンカー荷重が乗ってくるまでにタイムラグが生じている
ようです。
計測結果は87.92mとやや物足りない値に。
では、と第3投目はタラシ長さを10cmほど短く変更し、乗せ遅れよりは抜け気味を狙ってみます。
さらに、シンカーの『ヘリコプター』旋回を体の後方に送ってからスウィング動作を開始するまでに
一瞬タメを作り、ジワリとロッドに荷重が掛かるように意識をしてみました。
投げ放ったシンカーは第1投目よりは若干右寄りでしたが、まずまずのスピードと理想的高度で
飛んでくれました。
「もしかして第1投目よりも飛んだかな?」と期待したのですが、風コンディションの変化なのか
スウィング動作をあれやこれや考え始めたことがマイナス方向に作用したのか?計測結果は
91.27mでスコアアップにはならずに競技終了。
風向風速がコロコロ変化する『河内風』コンディションの元、初めて開催されたLWSCT大会と
あって多くの選手が「肩慣らし」的に投擲している雰囲気もみられた第一試合ではありましたが、
終わってみれば上位6名が100mオーバーの好成績
そんな中第1投目から104.24mを投げて優勝されたのは、今や中国地区では18gキャスティング
競技の第一人者となられた林選手。
林選手:第1投目
以下、103.23mを投げた小関選手が準優勝、102.56mを投げた丸木幸夫選手が第3位となり、
94m台の私は第8位。
15人中の真ん中ということで、全く練習していない割にはまずまず良い結果で満足できました。
小関選手:第1投目
丸木幸夫選手:第3投目
第1試合:備後大会入賞者
後列左から丸木幸夫選手(第3位),林選手(優勝),小関選手(準優勝)
2. 第2試合:広島大会
20分ほどの休憩を挟んでの第2試合。
第1試合に続いて第2試合でも、林選手が第1投目から106.28mという驚異的な飛距離を出した
ことで、 各選手とも自己ベスト弾を狙った真剣勝負が繰り広げられて緊張感が高まります。
林選手:第1投目
第2投目の投擲では、林選手(103.25m)に加えて小谷選手;105.36m,丸木幸夫選手;103.90m,
許田安信選手;103.62mと4名もの選手が103mを超えるデッドヒートを繰り広げており、勝負の
行方は第3投目まで決着しない雰囲気です。
小谷選手:第2投目
丸木幸夫選手:第2投目
私はというと、とても106mなんて飛距離は出せませんから、第1試合の記録更新だけを目標に
スウィング動作に修正を加えます。
『ヘリコプター』投げの第1試合ではロッドを曲げている時間が極端に短く感じられたので、
クラシカルな『振り子スイング』からシンカーを体の背後に回して大きく旋回させた後スウィング
動作に入ってみます。
『ヘリコプター』に比べると『振り子スイング』ではシンカー荷重をロッドに乗せるタイミングに
十分なタメを作ることができるはずなのですが、全く練習なしのぶっつけ本番キャストでは
大引掛けのファールだったりスッポ抜けのファールだったりで、第2投目に辛うじて91.07mの
記録が残せたのみ。
真鍋:第2投目
そんなこんなで緊迫の第3投目、林選手の106m弾を意識し過ぎたのか?逆転を狙う小谷選手,
丸木幸夫選手,許田選手の3名が揃ってファールとなり、他選手でも林選手の記録を上回る
飛距離が不発に終わったため、林選手の2連勝が決定。
以下、小谷選手が準優勝,丸木幸夫選手が第3位に入賞されました。
私は、第1試合の第8位から4つ順位を下げて第12位に。
第2試合:広島大会入賞者
左から丸木幸夫選手(第3位),林選手(優勝),小谷選手(準優勝)
どうも『振り子スイング』は私のイメージ通りに振れないようなので、封印ネタになりそうです。
3. お昼休憩
第2試合の後1時間強のお昼休憩を取りましたが、各選手とも昼食もそこそこにすぐに練習会
が始まりました。
私も第1試合と第2試合の振り返りで『ヘリコプター』と『振り子スイング』を1本ずつ投げると、
最後の切り札に残していた『ST投げ』を2本試してみます。
するとどうでしょう。
乗せる・曲げる・弾くのキャスティング三段動作が楽に出来るではないですか。
わざわざ不慣れな『ヘリコプター』や『振り子スイング』をしなくても、シンカーが素直に飛んで
くれるではないか!!!
後方のギャラリーからも「やっぱり本職の方がエエんじゃないの!」とのご発声があり、第3試合
は本職:ST投げに決定した次第です。
竿先からシンカーまでのタラシ長さはバットガイド付近まで短くなりますから、力糸を短くカット
して第3試合に備えます。
4. 第3試合:中国四国大会
そして第3試合。
いよいよ本日のメインイベント:中国四国大会です。
絶好調の林選手はまたしても第1投目で105.80mの好記録発進。
強豪選手達は一様に「林選手の記録を抜いてヤル!」と会場の気温上昇と同じくヒートアップ
しています。
林選手:第1投目
ところが、気温上昇の勢力が勝ったのでしょうか?
各選手ともバテ気味の様子で飛距離は第2試合の水準よりも低めで競技が進行します。
そんな中、第2投目に小関選手が今大会3試合を通してベストスコアとなる107.85mを投げて
優勝し、林選手の3連勝を阻止しました。
小関選手:第2投目
準優勝の林選手に続いて、第3位には102.87mを投げた立嶋選手が入賞しました。
立嶋選手:第3投目
第3試合:中国四国大会入賞者
左から林選手(準優勝),小関選手(優勝),立嶋選手(第3位)
ところで、得意のST投げで臨んだ私はというと、第1投目はやや乗せ遅れたようでコート左
ぎりぎりの弾丸ライナーで89.13mとちょっと納得できない飛距離に。
第2投目はタラシ長さを5cmほど短く取り、乗せ遅れ対策の効果もありこの日一番の振りが
出来ましたが、それでも飛距離は93.73mと100mには到底及ばず…
真鍋:第2投目
第3投目は飛距離アップを意識し過ぎて引張り過ぎたのか、コート左サイドを超えてファール
してしまいました。
結果、第2試合よりは2つ順位を上げたもののシングル順位には届かず第10位に。
やはり18gインランドキャスティングは難しかったです。
でもその「楽しさ」は感じ取ることができましたから、次回広島でLWSCT大会が開催される
際にはそれなりのロッドとリールを組み上げて、100mオーバー目指してみようかな?と
考えております。
最後に、飛び入り参加のちょろ2号も始投式以来数回コートで投げさせてもらい、始投式の
記録を2m更新する36.89mを投げ大満足の様子。
これで魚釣りだけでなくキャスティングも好きになってくれれば狙い通りなのですが…
ま、焦らず10年くらいかけて仕込んでいこうかと思いますが。
ちょろ2号:満足気です。
5. むすび
今回広島で初開催されたLWSCT大会ですが、いつもと違う雰囲気にいつもと違う楽しみで、
私だけでなく九州,四国,関西,中国各地区のキャスティング愛好家にとって新たな交流と
競技を楽しむきっかけになったのではないでしょうか?
この大会が第2回、第3回と末長く盛大に開催され、キャスティング仲間の交流の輪が広がり
ますように、祈願いたします。
また、今大会を企画,運営下さいました関係者すべての皆様には、このような素晴らしい機会
を設けて頂きましたことに、心よりお礼申し上げます。
ありがとうございました。