'20年09月26日

Report #096.02  シマノ・12スピンパワー 405XX  &
            シマノ・16スピンパワー SC 405X2     インプレッション(後編)


1. スピンパワー 3モデルを実投比較検証!

前報:Report #096.01で16スピンパワーSC 405X2と12スピンパワー 405XX,98スピンパワーSC 425XX
のカタログスペックおよび実測ディメンション比較の検証を行った。

  Report #096.01  シマノ・12スピンパワー 405XX  &
            シマノ・16スピンパワー SC 405X2     インプレッション(前編)

では、いよいよスピンパワー3機種の実投比較検証を開始しよう。
カタログスペックと実測ディメンションから推測されたロッドキャラクターは、実際にシンカーを弾き飛ばした
時のフィーリングやロッドキャラクターと一致するのだろうか?

それとも、推測のさらに上を行く、未知の領域のポテンシャルを発揮したのだろうか???


2. スウィング中のロッド画像比較とキャストフィールの分析

スウィング中ロッドの曲り具合をビデオ映像からキャプチャした画像を、写真1〜4に示す。

あくまでも、連続的なスウィング動作の一瞬:約0.17秒間を切り取った映像なので、その前後過程との
つながりや繰り返し投擲時の変化については度外視したデータであるが、ロッドキャラクターを判別する
ためには重要な情報になるだろう。

 2.1 16スピンパワーSC 405X2 のスウィング画像とキャストフィール


      写真1 16スピンパワーSC 405X2

16スピンパワーSC 405X2では、スウィング動作初期はロッドの#1セクションが曲がり始めるだけで
#2〜#3セクションはビクともしていない。

この時#1セクションは全く突っ張り感が無く素直に曲がってくるので、「これ本当にX2なの?」と
やや拍子抜けするが、ここがシマノの「不等長変則継ぎ新世代先調子」の一つ目の特徴ではないだろうか。

写真1の2コマ目から3コマ目ではその印象は大きく変化する。
#2〜#3セクションの強い突っ張り感がスウィング中の右腕を襲う。
ここで一気に加速度を高めて、#2〜#3セクションを曲げないとロッドに負けてしまう。

写真1の3コマ目から4コマ目にかけてロッドの軌跡ピッチが広くなっている=加速度を高めていることが
お分かりいただけるだろうか。

この、ほんの2コマ区間:0.07秒ほどが「不等長変則継ぎ新世代先調子」の二つ目の特徴を発揮する瞬間
だろう。
体感的には従来モデルXXグレードよりもプラスαの硬さ・剛性感・突っ張り感を体験できる。

スウィング動作の終盤3コマ目から5コマ目では、右肩を前方に押し出すイメージでロッドを押し込むことで、
強く突っ張っていた#2セクションの下半分を曲げて5コマ目のラインリリースを迎える。

ラインリリースの瞬間には、従来モデルXXグレードとは桁違いに強烈な反発力を発揮するのだが、やはり
私のST種目投擲ではこのロッドのポテンシャルをフルに出し切れていないようで、投擲によっては強烈な
ロッド反発を体感できずにフィニッシュを迎える投擲も多くある。

16スピンパワーSC 405X2のキャストフィールは、歴代スピンパワーとは少し異なる仕様に進化しており、
近年流行の「超高弾性・高反発ロッド」らしくスウィング中の剛性感・突っ張り感はなかなか手強い。

それでも、他社製の超高弾性・高反発ロッド(一例では魚心観・HYBRID HERITAGE)に比べると曲げ易く
投げ易い仕様である点が、歴代スピンパワーから受け継いだDNAではないだろうか。

 2.2 12スピンパワー 405XX のスウィング画像とキャストフィール


      写真2 12スピンパワー 405XX

12スピンパワー 405XXは、16スピンパワーSC 405X2に比べてスウィング動作初期の#1セクション曲がり
始め挙動が穏やかで、早い段階から小さい力でも素直に曲り始めてくれる。

続いて#2セクションにシンカー荷重が負荷されるのも早く、写真2の1コマ目では既に#2セクションを曲げる
べく加速度を高め始めている。

この時の#2セクションは軽く突っ張り感を持たせながらも素直に曲がってくるので、歴代スピンパワーXX
グレードからの正常進化版であることを再認識する。

そして写真2の3コマ目から5コマ目では、このロッドが従来モデルXXグレードから一歩進化していることを
示す、プラスαの「お楽しみ」が追加されていることを体感できる。

#2セクションの下半分あたりの突っ張り感と反発トルクがなかなか強烈なのだ。
特にその「お楽しみ」は、写真2の5コマ目:ラインリリースの瞬間にやってくる。

従来モデルXXグレードよりも1クラス強烈なロッド反発により、シンカーがもう一段加速して高速でテイク
オフする姿を見ることができる。

12スピンパワー 405XXは、従来モデルXXグレードに比べるとカーボン繊維が高弾性化されているようで
あるが、ブランクス構造に「スパイラルX構造」を採用したことも体感的なロッド反発力の向上に寄与して
いるのではないだろうか。

ロッドが曲がるとブランクス直径が潰れる方向への応力が作用するが、ブランクスの最内周と最外周に
それぞれ逆方向のらせんを描くカーボンテープフープ構造を持つ「スパイラルX構造」では、カーボン繊維
に継ぎ目がないためにブランクス直径潰れ方向への耐圧縮変形性と復元性が向上すると推測される。

この効果として、12スピンパワー 405XXでは#2セクションの下半分が曲げ易い上に曲がった状態から
復元する際に強い反発力を発揮しているようだ。

ラインリリース後のリバウンドもごく小さく、#1セクションは瞬時に静止状態となるので、ガイドへのライン
絡みも起こらず快適にキャスティングが楽しめる。

この点は、かつて比較検証した05スピンパワー 425XXとは別物の「新世代先調子」に進化しているよう
であり、好印象を持った。

16スピンパワーSC 405X2にも「スパイラルX構造」は採用されているが、残念ながら私がST種目で投擲
した範囲内では、その真価を発揮するレベルにまでは曲げ込めていないのだろう。

しかし12スピンパワー 405XXなら、ブランクスの持つポテンシャルを存分に体感することができる。
自身の発揮できる最大限のパワーでロッドを曲げてシンカーを弾き飛ばす楽しみを求めるのであれば、
このロッドは十分にその目的を果たす性能を有していると思う。

12スピンパワー 405XXの外観デザインはパールピンクに塗装されており、いかにも実釣用ロッド:
スピンパワーシリーズの一員であるが、16スピンパワーSC 405X2にも匹敵する強い反発力を発揮する、
正真正銘のキャスティング競技用ロッドである。

 2.3 98スピンパワーSC 425XX のスウィング画像とキャストフィール


      写真3 98スピンパワーSC 425XX

98スピンパワーSC 425XXは、胴調子による瞬間爆発的な反発力でシンカーを弾き飛ばす投法が
キャスティング選手の間では一般的であった1990年代の末期に登場したモデルである。

スウィング画像を見ても、#1セクションから#2セクション,#3セクションにかけて節のない一律な曲率Rで
ロッドの曲がりが描かれている。

言葉で表現するのはやや難しいが、キャスター達の間では
「タメを作って身体を残し、シンカー荷重が掛かってきたら一気に振り抜く」
といったような解説をしていた。

そしてそのようなイメージで振ると、曲がった#2セクションがドカンと跳ね返って飛距離が伸びる性能は、
このロッドを手にして17年経過した今でも劣化することなく維持している。

長年慣れ親しんだロッドアクション故であろうが、16スピンパワーSC 405X2や12スピンパワー 405XXと
比べると格段に曲げ易く投げ易い。

写真3の1コマ目〜2コマ目あたりで、右腕には#2セクションにシンカー荷重が乗り始めている感触が
つかめている。

ここで特に加速度を高める必要はなく、そのままの流れで3コマ目〜4コマ目で右腕と言うよりは右肩甲骨
付近と言った方が適正であろうか、肩でロッド押し込む感じで振り抜けば5コマ目のラインリリースタイミング
で曲がった#2セクションがドカンと反発してシンカーを弾き飛ばしてくれる。

この間#1セクションと#2セクションは突っ張り感を主張する訳でもなく、ただ黙々とシンカー荷重を受け止め
て蓄積し、後に反発エネルギーを解放する瞬間のための準備をしているようなイメージだ。

4.25mと長尺タイプだからか、がむしゃらに早く振り抜く必要はなく、ゆったり仕掛けて最後だけグッと
押し込めばキャスティングが完了するという点が、このロッドの最大の特徴であろう。

発売から数えると20年以上経過したロッドであるが、超高弾性・高反発ロッドが主流の現代でも十分に
戦闘力を発揮する、とても優れたキャスティング競技用ロッドの一つだろう。

 2.4 スピンパワー3機種のスウィング画像合成比較

2.1〜2.3項ではスウィング時画像とキャストフィールから個々のモデルのキャラクターを分析したが、
各ロッドのスウィング時画像とキャストフィールから分析した結果をまとめると、

 ・体感的なロッド硬さ
   98スピンパワーSC 425XX < 12スピンパワー 405XX < 16スピンパワーSC 405X2
 ・曲げ易さ(投げ易さ)
   16スピンパワーSC 405X2 < 12スピンパワー 405XX < 98スピンパワーSC 425XX
 ・押し込んだ時の突っ張り感の強さ
   98スピンパワーSC 425XX < 12スピンパワー 405XX ≒ 16スピンパワーSC 405X2
 ・スピンパワーらしさ(誰もが遠投性能を楽しめるロッドキャラクター)
   16スピンパワーSC 405X2 < 98スピンパワーSC 425XX < 12スピンパワー 405XX

という評価になるだろうか。

では、体感的な硬さや曲げ易さは、実際のスウィング時の画像ではどの程度の差が見られるのであろうか?

写真1〜写真3の3コマ目画像を合成したのが、写真4である。


      写真4 スピンパワー3機種合成

結果的には、とても意外なことであるがロッドの#2セクションと#3セクションの曲がり方には大きな違いが
見られない。
特に、#6ガイド(バットガイド)からリールシートにかけての曲率Rについてはほとんど差が見られないことが
判明した。

正直なところ、もう少し違いがあるはずと疑念を抱き何度も画像を見返したが、結果は同じであった。
強いて違いを挙げるなら、16スピンパワーSC 405X2,12スピンパワー 405XXに比べて、
98スピンパワーSC 425XXはほんの少しであるがロッドの曲がりが大きくなっている。

16スピンパワーSC 405X2と12スピンパワー 405XXとの比較では、#1セクションについては12スピンパワー
の方が大きく曲がっているが、#2セクションの下半分から#3セクションの曲がり具合についてはほとんど
差が見られない。

つまり、スウィング動作中に感じているロッドの硬い〜硬くない,突っ張る〜突っ張らないというフィーリング
は、実は#1セクションから#2セクションの上半分にかけて順次曲げるプロセスで体感している現象であり、
自身の持つ力でロッドの#2セクションを最大限曲げた状態ではどのロッドもほぼ同じ曲がり量である、
ということが判明した。

ならば、最も楽に曲げることが可能なロッドをチョイスするべきではないだろうか?
という考えにも行き着くが、実際にはロッドの曲がり量が同一であればより高弾性カーボン繊維で製竿した
ブランクスの方が強い反発力を発揮するはずである。

カーボン繊維の弾性率が40tf級と推定される98スピンパワーSC 425XXを目一杯曲げて投げるのと、
推定50tf級かそれ以上にカーボン繊維を高弾性化しつつ、先調子化により曲げ易く設計された
12スピンパワー 405XXでは、とではどちらが優位な飛距離を得るのか?

さらには現代での最高グレードカーボン繊維を使用しているであろう最新型:16スピンパワーSC 405X2と、
一世代前の高グレードカーボン繊維を使用しているであろう12スピンパワー 405XXでは、どちらが優位な
飛距離を得るのであろうか?

その疑問点については、実投飛距離の比較結果から考察してみよう。


3. 実投飛距離の比較

スピンパワー3機種の実投飛距離比較結果を、表1,図1に示す


表1 歴代スピンパワー実投飛距離比較結果(上位60%平均飛距離)
ロッド機種
テスト回 使用リール シマノ
16スピンパワーSC 405X2
シマノ
12スピンパワー 405XX
シマノ
98スピンパワーSC 425XX
第1回
(各8投)
12スーパーエアロ
フリーゲン
164.3 m 162.4 m 166.7 m
第2回
(各8投)
12スーパーエアロ
フリーゲン
165.9 m 167.0 m 164.9 m
第3回
(各8投)
12スーパーエアロ
フリーゲン
151.4 m 157.9 m 158.2 m
第4回
(各8投)
12スーパーエアロ
フリーゲン
160.1 m 162.1 m 161.3 m
第5回
(各8投)
12スーパーエアロ
フリーゲン
154.9 m 158.0 m 157.4 m
第6回
(各8投)
12スーパーエアロ
フリーゲン
158.9 m 166.0 m 162.2 m
第7回
(各8投)
13スーパーエアロ
サーフリーダー35
156.8 m 155.4 m 153.7 m
第8回
(各8投)
13スーパーエアロ
サーフリーダー35
159.2 m 150.1 m 157.6 m
第9回
(各6投)
11スーパーエアロ
キススペシャルCE
155.6 m 153.3 m 154.7 m
総平均 158.6 m 159.1 m 159.6 m
勝敗順位回数 1番手 3 回 4 回 2 回
2番手 2 回 2 回 5 回
3番手 4 回 3 回 2 回


     図1 歴代スピンパワー実投飛距離比較結果(上位60%平均飛距離)

スピンパワー3機種の実投比較テストは、第1回から第8回は川に向かっての投擲で、第9回のみ陸上
コートでの投擲で行った。

川での投擲で飛距離計測を行う手法は、これまで通り
  Report #095  川練習での飛距離測定方法の検討
で検証した計測方法を採っている。

なお、川では慢性的に川下りの横風もしくは向かい風が吹いており、その影響で飛距離も変動する。
加えてナイロン2号ラインが少なからず水分を吸収するので、ライン比重が増して飛距離はマイナス方向
に変動する。

ロッド毎の投擲順によっては、風向風速や2号ラインの状態変化に伴う有利不利を生じる可能性がある
ため、テスト回の都度スピンパワー3機種の投擲順序をローテーションして公平な評価を行った。

約3ヵ月にわたる短期間のテスト評価ではあるが、結果を分析すると以下のようになる。

 3.1 16スピンパワーSC 405X2 の実測飛距離傾向

スピンパワー3機種実投比較で最も期待度の高かった16スピンパワーSC 405X2であるが、結果的には
3機種中のトップスコアをマークしたのは9回中3回のみで、2番手が2回,3番手が4回と予想外に苦戦した。

実投比較時は各ロッド8投の上位60%=5投平均飛距離を評価値としたが、16スピンパワーSC 405X2
では個々の飛距離がまとまり過ぎており、『今日イチ』的なズバ抜けた飛距離を1本〜2本加えることが
他ロッドよりも少ない傾向にあった。

つまりは、このロッドの持つポテンシャルを引き出すまで曲げ込めていない、ということになるだろうか。

それでも前向きになれる結果として、実投比較テスト終盤の第7回〜第9回には台風接近に伴う強風
コンディションでトップスコアを連発して、他ロッドよりもポテンシャルが高いことを証明している。

9回の実投比較テストの総平均飛距離は158.6mとなっており、トップスコアとは1mマイナスの僅差で敗北
する結果となったが、ガイドセッティングの変更などによりロッドの体感的突っ張り感低減などを行えば、
また違った飛距離傾向となる可能性もあるだろう。

魚心観・HYBRID HERITAGEのように、延長グリップを装着して4.15〜4.20m仕様に改造することで、
キャストフィールをガラリと変えて『自分専用仕様』に育てる楽しみもあるロッドではないだろうか。

 3.2 12スピンパワー 405XX の実測飛距離傾向

12スピンパワー 405XXは、実投比較した3機種の中でスウィング中にロッドがしなりを増してくる感触が
最もつかみ易く、#2セクションの下半分あたりの強い突っ張り感と反発トルクを楽しみながらキャスティング
できたことが、安定して好飛距離を得ることに寄与しているようだ。

各8投ずつ投擲した実投比較テストでは投擲回数を重ねる毎に、前投擲より今投擲・今投擲より次投擲と、
ロッドを押し込む肩腕の力を徐々に増していくことで飛距離がアップする傾向があった。

結果、9回の実投比較テストのうちトップスコアをマークしたのが4回と他ロッドよりも多く、2番手2回を
含めると7割近くの確率で「負けることはない」強さを見せた。

実投比較テストの総平均飛距離は159.1mと2番手の成績であったが、平均飛距離が他ロッドより大きく
引き離されたのは第8回のみ。

実投比較テストの多くで98スピンパワーSC 425XXと僅差のデッドヒートを重ねて、12スピンパワー 405XX
が5勝4敗で勝ち越す結果となった。

12スピンパワー 405XXは、これ以上のガイドセッティング変更や延長グリップ装着などのチューニングを
しなくてもロッドの持つポテンシャルを十分に引き出すことができる、完成度の非常に高いキャスティング
競技用ロッドであると言えるだろう。

 3.3 98スピンパワーSC 425XX の実測飛距離傾向

9回の実投比較テストで最も飛距離が安定していたのは、やはり一番投げ慣れている
98スピンパワーSC 425XXであった。

98スピンパワーSC 425XXの飛距離は、3機種中のトップスコアをマークしたのは9回中2回だけであるが、
2番手が5回,3番手が2回と、他ロッドに比べて明らかに飛距離が低下する回数は最も少ない。

やはりこのロッドは17年の投擲経験が活かせているのだろう、風コンディションの変化にもあまり影響を
受けずにコンスタントに安定した飛距離が得られた。

特に第9回の実投比較テストは強い横風にシンカーが流されてファールとなりがちのコンディションであった
が、98スピンパワーSC 425XXでは6投全ての投擲でシンカーを風上方向に打ち上げて確実にフェアゾーン
をとらえる抜群の正確度であった。

このように、いつ投げても飛距離と正確度に優れた安定感を示した98スピンパワーSC 425XXは、9回の
実投比較テストの総平均飛距離:159.6mで3機種中のトップスコアとなった。

22年前に発売された、今となってはレアな存在の胴調子ロッドであるが、そのポテンシャルはカーボン繊維
の高弾性化と新世代先調子で競争力を高めた近代スピンパワーにも勝る、特別な存在のキャスティング
競技用ロッド、それが98スピンパワーSC 425XXである。


4. スピンパワー3機種実投比較テストの結果まとめ

以上の結果をまとめると、優位な飛距離を得るポイントはカーボン繊維の弾性率でも、ロッドの硬さ・剛性感・
突っ張り感でもなく、そのロッドに最適なスウィング動作を身体に染み込ませていつでもどんなコンディション
でも確実にベスト弾道でフェアゾーンをとらえる投擲精度を発揮することだったのか。

今回近代スピンパワーとして、16スピンパワーSC 405X2と12スピンパワー 405XXをピックアップして
旧世代ロッド:98スピンパワーSC 425XXとの実投比較を行った訳だが、一つの知見として飛距離に近代も
旧世代もなくロッドのポテンシャルを最大限引き出せば自ずと優位な値が得られる、ということが判明した。

しかし結論を急いではならない。

今回近代スピンパワーたちで実投比較テストを行った期間はたったの3ヵ月ほどである。
今後も継続して投擲を重ねれば、いつか近代スピンパワーたちも今回の98スピンパワーSC 425XXと同様
にあらゆるコンディションでも安定して優位な飛距離を出せる領域まで、ロッドに合わせた投法が体得できる
はずである。

何ヵ月か?それとも何年か?どれくらいの期間を要するのかは判らないが、とにかくロッドのポテンシャル
を出し切ることができるように、ただただ投擲練習を重ねるのみであろう。

早速ではあるが、16スピンパワーSC 405X2についてはガイドセッティングをチタンハイスピンダー6点式
からチタンKWガイド6点式に変更して、第二期実投比較テストを開始した。



また、16スピンパワーSC 405X2と12スピンパワー 405XXの両方に装着可能な、10cm延長グリップも
作製済みである。



今はコロナウイルス感染防止で全て中止となっている全日本キャスティング大会であるが、いつの日か
また再開された際には、16スピンパワーSC 405X2かそれとも12スピンパワー 405XXか、いずれかを
大会本番用ロッドとして起用できるように第二期実投比較はコツコツと続けることにしよう。